台風の日に休んだ社員の正しい勤怠管理とは?賃金支払いや有給奨励テクニックも紹介

超大型の台風21号が日本列島を横断しました。台風接近時の出勤については、「臨時休業」「自宅待機」「個々の判断に委ねる」など、会社によって様々だと思いますが、何らかの指示が出されたのではないかと思います。

無理に出勤をして怪我をしては大変ですし、そもそも交通機関が動かなければ物理的に出勤は不可能ですから、台風の日に会社全体として臨時休業にしたり、通勤が困難な場合に出勤を免除するのは、労使双方納得することができる対応でしょう。本稿では、台風等の自然災害が発生し休まざるを得ない状況になった場合の賃金支払い等の対応についてご紹介いたします。

また、別記事にて大規模災害発生時に使用者が守るべき労働関係の対応についてまとめておりますので併せてご確認ください。

【参考記事】台風等による大規模災害時|使用者が守るべき労働関係の対応Q&A

台風で出勤できなかったときの賃金

しかしながら、次に問題となるのは、台風により臨時休業となった日や、労働を免除された従業員に対する賃金は発生するのかしないのか、という話です。

この点、結論から申し上げますと台風での不就労の日については、賃金は発生しません。

確かに労働基準法には「休業手当」という制度があります。しかし、これは「会社の責任で」就労ができなかった日には平均賃金の60%以上を支払わなければならないという制度です。そして、台風が来るというのは会社の責任でどうこうできるものではありませんので、休業手当の対象にはならないと考えられているのです。

ただし、台風が直撃する地域ではなく、社員が出勤困難になるほどではないが、「どうせ天気が悪いと来客も少ないので、臨時休業にしよう」というような、台風がきっかけになったものの、経営判断で臨時休業にするような場合には、休業手当の対象となります。

なお、いずれの場合であっても会社が任意恩恵的に100%の賃金を支払うことは差支えありません。

「有給奨励」というテクニック

ここで、台風接近時によく使われる実務上のテクニックをご紹介しましょう。

それは「有給奨励」という考え方です。有給休暇を会社が強制的に取得させることは違法なので「明日は台風が接近するので強制有給消化日にします」というような対応をすることはできません。

しかし、「明日は台風が接近するので有給奨励日にします。出勤しなかった人は原則として無給扱いになりますが、有給休暇を使うことも可能です。有給扱いにしたい人は申し出てください。」というような呼びかけを行い、任意的に有給休暇を利用してもらう形であれば法的な問題はありません。

社員は賃金が減ることを回避できますので、大半の人が有給を使用することを選択するのではないかと思います。

在宅勤務も検討の価値あり

また、近年は、こういった台風の日には在宅勤務を推奨する会社も増えてきているようです。

「無理して出社するか、休業するか」の2択ではなく、在宅勤務でできる仕事を進めるというのは、極めて合理的な考え方だと思います。こういった会社は、柔軟に在宅勤務に対応できるよう、書類のペーパレス化や、業務で使うソフトウェアのクラウド化などを積極的に進めているようです。

在宅勤務が可能になれば、台風のような災害時だけでなく、育児や介護など社員のワークライフバランスの実現にも役立ちますので、検討の価値はあると思います。

社内のルール作りが重要

最後に触れておきたいのは、台風の接近時など災害時の社内のルール作りが必要だということです。緊急時に社員が自分で一定の判断をできるようにしたり、給与の取り扱いで不公平感が生じたりしないようにするためです。

たとえば、社員は出社できなかったら在宅勤務をしたつもりだったのに、会社から「在宅勤務は認めていないので賃金は支払えない」と言われたら、お互いに後味悪いですし、場合によっては労働トラブルにも発展してしまいます。

まとめ_台風や災害時などの勤怠管理

我が国においては台風や地震など様々な天災が発生します。天災の発生自体は人間の力でコントロールすることは残念ながらできません。しかし、天災が発生した場合に、可能な限り安心して社員が行動できるような仕組みを平時からつくっておくことは、重要な労務管理の1つなのではないでしょうか。

別記事にて大規模災害発生時に使用者が守るべき労働関係の対応についてまとめておりますので併せてご確認ください。
【参考記事】台風等による大規模災害時|使用者が守るべき労働関係の対応Q&A

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ポライト 社会保険労務士法人

「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念に掲げている社会保険労務士法人です。目下は、電子タイムカードやクラウド給与計算ソフトなどのHR-Techの活用や導入支援に力を入れており、お客様企業の効率改善や残業削減に貢献していきたいと考えています。