コロナ禍で申請者増!健康保険傷病手当金支給申請書の書き方をマスターしよう

新型コロナウイルス感染拡大により、企業においては従業員から健康保険の傷病手当金申請に関わる相談を受けるケースが増えているのではないでしょうか?いざ申し出があった際にスムーズに対応できる様、傷病手当金の支給申請書の書き方を確認しておきましょう。

傷病手当金支給申請の基本的な流れ

傷病手当金の支給申請書は、①~③の計4枚で構成されています。

①「被保険者記入用(2枚)」
②「事業主記入用(1枚)」
③「療養担当者記入用(1枚)」

会社で記入しなければならないのは「事業主記入用」ですが、「被保険者記入用」についても、本人から必要事項をヒアリングして会社が代筆するケースは少なくありません。「療養担当者記入用」は、診察をした医師が記入する申請書です

協会けんぽの申請書は、以下よりダウンロード可能です。

参考:協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)

申請の流れは、1~3の通りです。

1.医師に「療養担当者記入用」の記入を依頼

傷病手当金の支給申請をする場合、まず医師に「療養担当者記入用」の記入を依頼しましょう。病院によっては申請書作成に1~2週間以上要することもあることから、早めの依頼が得策です

申請では、原則として私傷病により労務不能と認められる期間について、その期間経過後に証明を受けることになります。休業期間が長期となる場合で給与締日ごとに申請する際には、あらかじめ医師に証明を受けたい期間を伝えておく必要があります(傷病手当金は、最大3か月まとめて申請することもできます)。

2.「被保険者記入用」「事業主記入用」を作成

傷病手当金は、医師が証明した「労務不能と認められた期間」「傷病」について申請します。よって、「被保険者記入用」の作成では、「療養担当者記入用」の内容に基づいて「初診日」「傷病名」「申請期間」を埋めていくのがスムーズです。併せて、当該傷病及び休業期間中について報酬支払状況や労災適用等、支給調整・停止に該当するかどうかを判断するために確認事項についても記入します。

「事業主記入用」は被保険者が労務に服することができなかった期間について「勤務状況」と「賃金支払状況」を証明するものです。


出典:協会けんぽ愛知支部「傷病手当金について学ぶ:傷病手当金・基礎研修

記入に際しては、後述する協会けんぽ愛知支部公開「傷病手当金支給申請書記載例」を参考にするとスムーズに進みます。

3.保険者宛に支給申請する

申請書の準備が完了したら、保険者に傷病手当金の支給申請をします。保険者とは協会けんぽや健康保険組合のことで、郵送によって手続きできます。

申請書が提出された後、審査を経て2週間~1ヵ月ほど(場合によっては2ヵ月ほど)で支給決定され、本人宛に支給決定通知の送付と振込が行われます。

傷病手当金支給申請書「給与形態別」記入例

「事業主記入用」の勤務状況及び賃金支払状況の証明欄について、初めて申請書を作成する際には何かと判断に迷う点もあるかもしれません。協会けんぽ愛知支部では、「日給月給制」「日給制」」「時給制」「歩合給制」等の様々な給与形態別記入例を盛り込んだ資料を公開しています。申請書作成の際には参考にしてみてください。

参考:協会けんぽ愛知支部公開「傷病手当金支給申請書記載例

ここでは、給与締日をまたいだ時給制の場合の申請書記入例をご紹介しておきます。

  • 申請期間 1月23日~3月8日
  • 毎月20日締当月末日払

この場合、勤務状況及び賃金支払状況は、給与計算締日にあわせ「1月21日~2月20日」「2月21日~3月20日」について記入します。

いかがでしょうか?具体例を参考にすれば、複雑に思われるケースでもさほど混乱なく記入できそうですね。

首都圏を中心に2021年9月12日を期限に発令されていた緊急事態宣言も、月末まで延長の方針が示され、まだまだ新型コロナウイルス感染者増大に予断を許さない状況が続きそうです。いざ従業員から傷病手当金支給申請の意向が示された際、会社として迅速かつ的確な対応ができるよう、今号でご紹介した資料を参考に理解を深めておくと安心です。

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