すべての業種で労災事故防止に向けた取り組みを!「令和5年度 年末・年始Safe Work推進強調期間」

年末といえば、気をつけたいのが「労災事故」です。一年の中でも特に慌ただしいこの時期、いずれの業種でも労災事故の発生率が高まる傾向にあります。各現場においては、今一度、労災防止に向けた意識向上に努めると共に、安全衛生管理体制の見直しを進めましょう。

12月、1月は「年末・年始Safe Work推進強調期間」です

東京労働局では、2023年11月21日から2024年1月31日にかけての期間を「年末・年始Safe Work推進強調期間」に設定し、都内各事業場の安全衛生機運向上に向けた取り組みの一層の推進を図っています。この期間、死亡や重篤な労働災害が多発傾向にある建設業に係る労働災害防止対策の推進、及び化学物質管理や業種横断的に行動災害の防止対策の推進が強化されています。取り組み詳細は以下の通りです。

参考:厚生労働省「年末・年始Safe Work 推進強調期間を実施 します。(11 月21 日~1月31 日)

建設現場に対する集中パトロールを実施

令和5年10月末時点の労働災害の死亡事故件数を見ると、建設業で15人と全業種33人の約半数にもおよび、最多となっています。こうした事態を受け、年末年始における死亡災害撲滅を目指し、建設現場に対しては重点的な集中パトロールが実施されています。現場においては、「決意表明」「高所対策」「管理活性化」「教育強化」といった安全衛生管理活動の「4K」の徹底が求められます。

小売業における労働災害発生件数は、2020年には建設業越え

労災事故の発生は、建設業等の現場ばかりではありません。近年、小売業での事故発生件数・発生率が増加傾向にあります。とりわけ2020年には、小売業における死傷災害(休業4日以上の労働災害)の発生件数が15,257件まで増え、建設業における死傷病災害発生件数を上回ったこともあります。小売業では、死亡事故とまではいかなくとも、転倒や動作の反動・無理な動作による被害が後を絶ちません。
厚生労働省の統計によると、小売業で生じる労災事故の特徴は以下の通りです。これらの危険を考慮した安全衛生管理体制の確立が目指されます。

✓ 「転倒」による災害が全体の34.5%と最も多く、被災者の約9割が女性である
✓ 転倒災害の7割が骨折を伴い、約6割が休業見込期間1ヵ月以上と重傷化の傾向がある
✓ 年齢・性別では、50代以上の女性の転倒災害が多い
✓ 転倒災害は、店舗内での「つまづき」、バックヤードでの「滑り」によるものが多い

参考:厚生労働省「小売業の労働災害発生状況

転倒災害防止に、転びにくい靴選びを

小売業を中心とした事業場における転倒災害が増加傾向にあることを受け、北九州西労働基準監督署は転びにくい靴の選び方に関するリーフレットを公開しています。適切な安全靴・作業靴の選定にあたり留意すべき以下の点について具体的に解説されており、作業靴を導入する現場においては役立つ内容となっています。

1 靴底の耐滑性(滑りにくさ)
2 床面との相性
3 つま先部の高さ(トゥスプリング)
4 靴の屈曲性
5 靴の重量バランス
6 靴底・かかと部の衝撃吸収性

併せて、同監督署からは雨天や積雪など、環境に起因する転倒災害の防止に向けたリーフレットも公開されています。「小さな歩幅で歩く」「靴底全体をつけてベタ足で歩く」「体の重心を少し前方にして歩く」等、冬本番となるこれからの季節の転倒災害防止に役立つ心得となっておりますので、こちらも参考にされると良いでしょう。

参考:福岡労働局「STOP!転倒災害 北九州西署プロジェクト

労災発生率の高い小規模事業所を中心に、安全管理体制の再点検を

今号のテーマである「労災事故防止」について、統計によると、従業員数50人未満の小規模事業場では大規模事業場に比べて労働災害の発生率が高い傾向にあるとのこと。また、前述の通り、労災事故の発生は特定業種のみにとどまりません。自社における労災事故防止策の検討の他、安全管理者・衛生管理者・安全衛生推進者・作業主任者等の法定の安全衛生管理体制の整備、定期健康診断の実施等に、確実に対応してまいりましょう!併せて、「適正な勤怠管理の実施」に関しても、従業員の健康及び作業の安全性を確保するためには不可欠です。法に則した勤怠管理の実践には、HRMOS勤怠byIEYASUのご活用がお勧めです!

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