全国的に長引く寒波!職場における冬季労働災害対策を万全に

立春を過ぎたというのに、各地でまだまだ厳しい寒さが続きますね。例年、12月から2月にかけては降雪、凍結等による転倒や交通事故が多発しますが、今年は特に発生事例が多く、職場における冬季特有の労災事故リスクが高まっています。春目前ではありますが、地域によってはまだまだ油断できません。企業においては今一度、職場における冬季労働災害対策を万全に講じておかれることをお勧めします。

「適切な靴選び」「凍結防止策」で転倒災害防止を

冬季労働災害として、特に増加するのが「転倒」です。特に1月の転倒災害発生リスクは、3〜11月平均の2.4倍となっており、2月にもそれに次ぐリスクが想定されます。企業における安全配慮義務として、転倒災害への対策を検討しましょう。

従業員に向けて、滑りにくい「靴底」の冬靴着用のススメ

まず、普段あまり積雪や凍結を経験しない都心部の企業において、今日から行える対策として挙げられるのが、従業員に向けて滑りにくい靴の着用を呼びかけることです。屋外作業に従事しなくても、通勤途中に転倒災害に遭うことは十分に考えられますから、業種を問わずいずれの従業員にとっても備えが必要です。


ただし、これらの靴を着用していても、慎重に歩行する必要があります。床⾯によっては上記の靴底がかえって滑りの原因となったり、マット等に引っ掛かったり等の危険性があるためです。

身近な場所に凍結防止策を講じましょう

厳しい寒さや積雪に備え、敷地内にどのような凍結防止策を講じておくべきかをあらかじめ検討し、対策できるようにします
以下の凍結防止策の一例を参考に、職場においてどのような工夫が必要かを考えておきましょう。

  • 凍結等で滑りやすい床面には、マットを敷く等の滑り止め措置を講じておく。
  • 路面にはあらかじめ除雪、融雪剤を散布し、安全通路を確保できるようにしておく。
  • 床面や路面が暗く見えにくくなる夜間は、照明の照度を上げる。
  • 水たまりや氷は放置せず、その都度除去するとともに、溜まりやすい箇所には吸湿性のあるマットを敷く。
  • 「ながら歩き」、服やズボンのポケットに⼿を入れたままの歩行を避け、凍結のおそれのある場所では滑り等による転倒等を意識して歩き、むやみに走らない様、従業員に対する注意喚起を行う。
  • 階段には滑り止めや手すりを設ける。
  • 凍結した路面、除雪機械通過後の路面等における荷物の運搬方法、作業方法の見直しを行う。

冬季により一層留意すべき、高年齢労働者の安全衛生対策

冬季における転倒労働災害等のリスクの高まりを前提に、高齢労働者に対する労災事故防止策の見直し・徹底に努めましょう。冬季における作業環境の変化、高年齢労働者の身体機能の低下等による労災事故発生リスクを踏まえ、想定される労災事故事例を元に、施設内、設備・装置についてどんな対策が必要かを検討します。

  • 冬季は日没が早くなり、早い時間から凍結箇所が見えにくくなる。加齢に伴う視力や明暗の差への対応力低下を踏まえ、十分な照度を確保できる様にしておく。
  • 低温環境下においては加齢に伴って低下した身体機能がより低下しやすい。作業前には日ごろからストレッチや軽いスクワット運動等で身体をほぐすようにすると共に、足腰の柔軟性や筋力向上、基礎的な体力の維持に努める。
  • 加齢に伴って高まる脳・心臓疾患発生リスクを考慮し、ヒートショックの発生に留意する。併せて、高齢労働者の基礎疾患の罹患状況を踏まえた労働時間の短縮や深夜業の回数の減少、作業の転換等の必要な措置を講じる。

まだまだ油断できない冬季労災!必要な対策を

今号では、いずれの地域、業種の企業においても共通して必要となり得る冬季労働災害対策をご紹介しました。その他、特に降雪の多い地域や、建設業・林業等の屋外作業、自動車運転を伴う業務では、より多くの安全対策が必要となります。まだまだ寒い冬が続きます。以下のリーフレットを参考に、引き続き、労災事故防止に努めましょう。

参考:長野労働局「STOP︕冬季労働災害〜転ばぬ先の「靴選び」と「凍結防止」を〜

LINEで送る

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事