これからの人事評価制度~今の人事評価は正当に機能していますか?

会社に貢献してくれている社員に報いたいという趣旨から多くの会社が人事評価制度を取り入れています。しかし、その評価制度は社員を正当に評価しているのでしょうか?よくあるのが、ほぼみんな同じ評価と言う点です。評価に自信がない、みんな頑張っているからとどうしても同じ評価になりがちです。それでは、本来の意味がありません。そこで、上司、部下ともにわかりやすい人事評価制度についてご紹介します。

人事評価制度とは

人事評価制度とは、会社への貢献度などを図るモノサシです。モノサシがなければ、全員一律の昇給、昇格、賞与となってしまいます。すると「こんなに頑張っているのに頑張っていない社員と同じか!」と頑張っている社員のモチベーションを下げることに。また、頑張っても頑張らなくても同じであれば、人はより易しいほうへ流れてしまいます。そうなると会社の利益は、下降状態に。そこで、人事評価制度を取り入れて頑張っている社員に報い、モチベーションをアップしてさらに頑張ってもらうのです。

現在の人事評価制度の問題点

本来、会社の利益アップを目指した人事評価制度ですが、これが全く機能していない会社も数多く見受けられます。昔の人事評価制度をずっと使い続けていて、本来は時代とともに変えなければいけないのに、そのまま使用することで、現代に合わなくなっているのです

問題点は、以下の5つになります。

  1. 評価する項目が多すぎる
    項目が多ければいろいろな角度から評価できるからよいと考えているケースです。昔からの制度を使用し続けている会社に多いです。評価項目が多すぎると何を重点的に評価すればよいのかわからず、また、仕事が忙しい上司は評価にそれほど時間をかけることができません。そこで、流れ作業のように同じような評価になってしまうのです。評価はよく考えてすべきでしょう。
  2. 上司の能力不足
    部下の仕事ぶりをきちんと評価できない上司がいます。そのために「残業をしている部下=仕事をしている部下」という評価基準を勝手に作り、仕事を効率的に進めているか、職場の同僚のサポートをしているかなどを見ていないのです。残業時間で仕事を図るのではなく、就業時間内にいかに仕事を終わらせるかに重点をおくべきです。
  3. 上司、部下が人事評価項目についてよく知らない
    どのようなことを評価しているのかは全社員に具体的に説明をすべきです。説明がないと各項目について各自が勝手に判断して評価してしまいます。統一的な基準が必要です。
  4. 評価と昇給、昇格、賞与との関連があいまい
    評価がよければ、昇給、昇格、賞与アップとつながるのはわかるけれど、それがどれだけのアップになるのかよくわからないという社員からの話を聞きます。例えば、評価○点以上で1等級昇給とか、賞与が〇%プラスされるとか具体的であれば、より一層やる気がでます。
  5. 全ての社員が同じ評価項目を使用
    全社員同じ仕事をしているわけではありません。仕事の内容が異なるのに同じ評価項目を使用していませんか?職種別に複数作ることが必要です。

 

これからの人事評価制度

人事評価を見直そうと考えているのであれば、まずは評価項目を見直すことから始めましょう。項目は多ければ多いほど良いわけではなく、反対にわかりにくいものになってしまいます。筆者が勧めているのは、全体を25項目にし、5項目を全社員共通の「仕事に対する基本的な態度や姿勢」にし、残り20項目をそれぞれ職種別に評価したい内容とします。
仕事に対する基本的な態度や姿勢は当然のことですが、まだまだ社会的なマナーができていない人が目立ちます。大声で話をしたり、挨拶を適当にしたりと職場環境を乱している人です。ここは、全てできて当然でしょう。

仕事を評価する項目は厳選して20項目にして、点数化はしません。点数化すると合計点が重要となり、できていない項目があっても他の項目が高得点であれば高評価されてしまうのです。評価も点数ではなく、「よくできる、できる、普通、できないことがある、できない」5段階評価とします。できる項目を数で評価すれば、よくできる項目があってもできない項目があれば高評価になりません。目指すのは、全ての項目がよくできるになることです。この評価制度に切り替えてからは、できる項目の数が目に見えて増えていきました。

まとめ_人事評価を見直して、全社員レベルアップを目指してみませんか?

会社にとって、重要な人事評価制度。評価することで、できる社員とできない社員を区別するものではなく、各々の社員が何ができて、何ができないのかを明確にするものです。そして、上司のサポートを受けながらできないものを自覚して、できるようになっていくことが人事評価の目的です。今一度人事評価を見直して、全社員レベルアップを目指してみませんか?

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