【新卒採用】内定学生を正社員で雇用できるの?各種保険の適用は?

昨今ではインターンシップを実施する企業も増えてきているかと思いますが、卒業前の内定者の大学生を正社員として雇用したいとなった場合、学生を正社員として雇用することは可能かということや、雇用保険、社会保険の取り扱いについて今号では解説していきます。

両者の間で合意ができていれば可能

一般的に学生を正社員として雇用することはないですが、両者の間で合意ができているのであれば正社員として雇用することは可能です
ただし、雇用保険は加入義務はなく、社会保険は所定労働時間や日数の要件を満たせば加入が必要となります。

雇用保険について

昼間学生は、「本来学業に専念することを生活の本義」とされ、雇用保険法上の労働者とは認められず、雇用保険加入義務はありません。ただし、以下の学生は加入義務があるとされています

  • 卒業見込みであり、卒業後も引き続き当該事業所で雇用される予定である学生
  • 休学中の学生
  • 通信制、夜間、定時制の学校における学生
  • 職業安定局長が上記3点に準ずると定める学生

社会保険について

生徒または学生は、社会保険の適用対象外となります

ただし、卒業見込証明書を有する人で卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務する予定の人や、休学中の人、大学の夜間学部や高校の夜間等の定時制の課程の人などは加入対象となります。

学生を雇用する際の注意

学生の本分は学業です。「勉学に支障はないのか」を確認し、過度の負担とならないよう配慮が必要です。内定後の入社が確実であっても、通常勤務ができるとは限りません。学校行事への参加や試験期間中など、本来の学生としての活動を妨げることは避けたいものです。

また、勤務が原因となって卒業できなくなってしまっては本末転倒です。無理のない範囲での勤務とすることが望ましいでしょう。

インターンシップの考え方

選考前や採用後にインターンシップを実施する企業も増えています。これまでインターンシップの違法性についてはグレーゾーンとされてきましたが、昨今では労働基準法を重視する傾向にあります。

平成9.9.18基発第636号によると、“インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働者に該当しない。直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、労働者に該当する”、とされています。

「指揮命令関係」と「生産性」があると、労働基準法上では「労働者」とされ、扱いによっては労働基準法違反に問われる可能性も出てきますので、インターンシップといえども注意が必要です。

困ったら専門家に相談することを検討

労務関係や助成金のことで、困ったことや具体的に聞きたいことがあれば社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。

もしお困りのことがございましたらこちらをクリックし、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。

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