勤怠から社員の心と体のサインを読み取る_勤怠管理を経営に活かす方法

勤怠管理というと、どうしても社員の就労時間を管理するためのもののように捉えられがちですが、それだけが目的ではありません。もちろん、給与の支払いや有休付与などのために勤怠データを取得し、管理する必要はあります。しかし、それは一時的な役割に過ぎず、それ以上に勤怠情報はしっかり活用することで、企業の経営戦略策定に役立つ重要な資料となり得ます。それでは、勤怠管理から分かる情報とその活用方法とはどのようなものがあるのでしょうか。

勤怠情報こそ経営者が知るべきデータ

企業の勤怠・就業管理で得られる情報は多岐に渡ります。遅刻、早退の回数と時間、残業時間と深夜残業時間、欠勤、有休、代休、休日出勤の日数、また、会社によっては、直行・直帰、外出の回数なども含まれます。これらの数値をもとに給与計算を行うので、企業全体の人件費を知ることができます。当然ながら、月々の給与と賞与以外に残業代の支払いも発生するでしょう。例えば、法定労働時間を超えて、かつ深夜労働をさせた場合は、基本時給の5割増しの賃金を支払う必要があります。

もしも勤怠情報を給与計算だけのために利用し、データ分析をしなければ、人件費に占める残業代の割合が多かったとしてもそれに気づかないかもしれません。勤怠情報は、経営者が会社のコストを把握する上で必要不可欠なデータです。

また、どの社員が長く残業をしていて、どの社員の遅刻が多いかなどの社員の働き方を読み取ることもできます。遅刻が多いなど怠慢勤務が続く社員が放置されていることは、他の社員のやる気を削ぐ結果にもなりかねないので注意喚起をする必要があります。同時に、健康上の理由で遅刻が多い可能性もあるので、その社員に直接事情を聴く必要があるでしょう。

このように、勤務情報は人事担当者や経営者が現場社員とコミュニケーションをとるきっかけになります。社員にとっても、会社がただ勤怠管理を機械的にしているのではなく、社員の健康管理にも目を配らせていると認識する機会になるでしょう。

遅刻や欠勤、深夜残業から分かる情報とは?

長時間労働による社員の健康障害や過労死、過労自殺の問題を受けて、企業の労務管理の在り方が問題視されてきました。従来に比べて労災認定件数も増えており、企業側が多額の賠償金を請求されるケースも少なくありません。社員の心身の不調は、遅刻や欠勤などのいわゆる「勤怠の乱れ」に表れることが多くあります。うつ病などメンタルヘルスに問題がある場合は、不眠になるケースも多く、夜寝られなかったり、朝に起きにくかったりするなどの症状が出る場合があるためです。

社員を雇用する企業は労働基準法の順守は当然ですが、遅刻や欠勤などのデータにも注目し、社員の健康状態に問題がないか配慮するべきでしょう。深夜残業の回数や時間からは、社内のどの部署の業務が忙しいか、いつが繁忙期なのか、もしくは慢性的に忙しいのか、特定の社員だけに業務が集中しているのかなどの情報を読み取ることができます。

スタートアップのベンチャー企業や中小企業では、今は社員数が少ないからしょうがない、他に対応する社員がいないなどの理由で、長時間労働が当たり前のようになっている場合があります。しかし、社員数が少ない会社ほど、仕事ができる社員に業務負担が集中する傾向もあります。仮にこの社員が健康被害を訴えて会社に来られなくなってしまったり、退職してしまったりすれば、会社にとって大きな打撃になるため、社員の業務量に問題がないかなどを確認する必要があります。

勤怠情報を活用する方法

このように勤怠情報から多くのことを分析できますが、その情報をどのように活用したらいいのでしょうか。まず、時間外労働時間などの情報をもとに、各部署または社員の業務量の見直しを図り、業務量の適切な分配や必要に応じた人材配置や職務内容の変更を行うことができます。

例えば、社員の業務時間が長い原因を特定し、それが能力の問題や効率の悪さであれば、社員研修をしたり、メンターをつけたり、部署異動の必要などが考えられます。逆に他の社員の面倒を見ていたり、与えられた職務以上の仕事をこなしていたりしたものであれば、責任範囲の変更、昇格や昇給などが必要かもしれません。中長期的に、社員のモチベーションを向上させ、特に優秀な社員の退職リスクを減らすことにつながります。

まとめ_勤怠管理のデータを人事戦略に活かす

これらの人事情報を今後の人材育成や新規採用等の人事計画に組み込むことが重要です。また、過重労働が続くことによる社員の健康損害は、会社にとって大きなリスクです。社員の休職や退職に伴う新規採用、教育コスト、労務問題に対する訴訟、労災リスク、金銭的な負担や会社のイメージ低下などにつながります。これに対し、経営戦略的に社員の健康増進に力を入れる企業が増えてきています。多少費用をかけても、上記のようなリスクを抑えるために有効な手段と考えられるためです。このように、社員の勤怠管理は社員の就労時間の管理だけではなく、新しい人事制度の開発などの人事戦略策定に活用することができます。

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