【HPI(Human Performance Improvement)とは】日本企業が導入するメリットは?詳しく解説

現代のビジネス社会は、多くの企業が厳しい競争のなかで鎬を削っています。そのなかで日本企業が生き抜き成長していくには、人材のパフォーマンスを向上させることが重要な課題の一つです。組織開発や人材開発にはさまざまな方法がありますが、その一つに、アメリカで発展したHPI(Human Performance Improvement)という方法があります。そこで、本記事では、そのHPI(Human Performance Improvement)について詳しく解説します。

HPI(Human Performance Improvement)とは 何か?

HPI(Human Performance Improvement)は、アメリカで発展した組織・人材開発のあり方の一つです。HPIについては、ASTD(米国人材開発機構)が定義を行っていますが、非常に高度なため、容易に理解するのは難しいところです。しかし、わかりやすく説明するならば、要点はおおよそ次の通りとしても間違いではないでしょう。すなわち、まず、目標を定めること、そして、現状の人材はどうなのかを見極めること、があげられます。次に、目標と現状の差を埋めるための方策を見出して実行すること、最後に、評価や見直しを行うこと、があげられます。こうした一連のプロセスによって、人材のパフォーマンスと企業業績を向上させる、という取り組みがHPIであると考えられます。

HPI(Human Performance Improvement)は、従来の研修制度のあり方とどこが違うのか?

従来の人材開発方法には、たとえば、社員のモチベーションの向上や技能などの質的向上を図るための各種研修制度があります。しかし、HPI(Human Performance Improvement)は、そうした研修制度に対して、人事的視野にとどまるのではなく企業全体の戦略的視点で捉えているという点で大きく異なります。つまり、所定の研修プログラムが済めばその研修は完了したと捉えるのではなく、研修制度も企業業績とより関連付けてトータルな視点から行っていく、という点が異なっています。

HPI(Human Performance Improvement)を日本企業が導入するメリットは?

HPI(Human Performance Improvement) はアメリカで発展した方法なので、企業文化のあり方が異なる日本企業の場合には、導入して直ちに効果があるというわけではないでしょう。しかし、日本企業のなかにもグローバル・マーケットを相手にする多国籍企業はたくさんあります。そうした企業の場合は、HPIを導入するメリットはあると考えられます。というのは、HPIによって、人事と企業全体の戦略とがより密接になり、目標達成のためのアプローチもより深まっていき、その結果パフォーマンスが向上する可能性が高まるからです。

HPI(Human Performance Improvement) を日本企業が導入するデメリットは?

HPI(Human Performance Improvement) は、企業業績を高めるために開発された手法です。そのため、日本企業が導入するのはデメリットが大きいというわけでは決してないといえます。しかし、日本企業のなかには、企業業績のためというよりはミドルやボトムのモチベーションに配慮した研修制度を重視しているところも少なくないでしょう。したがって、そうしたタイプの日本企業がHPIを導入する場合には、組織内で生ずる戸惑いや変化への抵抗も想定されるため、効果の発現に時間がかかる可能性が高いと考えられます。また、HPIの導入にあたっては、企業トップや人事部門の責任者等がHPIを十分に理解する必要があるので、そのための教育や訓練のコストもかかると考えられます。

グローバル競争に勝ち抜くには、HPI(Human Performance Improvement)を知って学んで損はない

HPI(Human Performance Improvement)は、日本企業にはまだ十分に普及していないと言われています。しかし、HPIを導入するかどうかは、あくまでその企業の任意です。したがって、メリットとデメリットを比較しながら、メリットの方が大きいと考える企業は検討してみたらよいでしょう。いずれにしても、ビジネスの先進国アメリカで発展したHPIを知ること学ぶことは、日本企業にとっても決して損はないと考えられます。

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