【中心化傾向とは?】適切な人事評価のために。原因と悪影響、対策まとめ

あなたの会社の社員は、人事評価制度に満足できているでしょうか?評価は適切にできているでしょうか?
社員皆が納得する人事評価制度を構築し、かつ適正に運用していくことは、会社にとって重大かつ困難な課題です。

適正な人事評価にするために、評価者が陥りがちな心理傾向である「中心化傾向」を知っておきましょう。

中心化傾向とは?

中心化傾向とは、評価者が人事評価をする際に、様々な心理的要因によって中央値に集中した評価を行ってしまう心理的偏向のことを言います。

例えば、一番高い評価を5、一番低い評価を1として5段階で人事評価を行うとします。
本来ならば、1から5の範囲で被評価者は平均的に分布するはずが、中央値である3の評価に偏ってしまうことがあります。これが中心化傾向です。

中心化傾向の原因とは?

中心化傾向には様々な要因がありますが、代表的な要因は次の通りです。

まず、被評価者の能力を十分に把握できていない可能性です。能力を把握していないと、人の心理として「無難な中央値」を選びがちです。
また、評価者に対して部下が多すぎるなどといった場合にも、評価が一律になりやすい傾向にあります。
さらに、被評価者からの批判や不満が怖い、という人事担当者の恐れがあることも考えられます。日本人は波風を立てたくない・周囲と足並みをそろえうまくやっていきたいという傾向が強いとされており、諸外国よりも中心化傾向に陥りやすいのです。

中心化傾向が起こす、人事評価への悪影響は?

中心化傾向が起こると、人事評価への悪影響につながりかねません。

本来は高評価されるべき被評価者が過小評価されていることになると、そのような被評価者からは当然不満が生まれるでしょう。また、反対に低評価されるべき被評価者が過大評価されてしまうことも起こり得ます。すると彼らの能力には合わない仕事を任されることになり、ストレスや能力不足によるミスが発生する可能性が高まるでしょう。

なにより、優秀な人材が適正に評価してくれない会社に魅力を感じなくなることが、会社にとって一番の悪影響です。

中心化傾向の対策は?

中心化傾向が起こる原因を突き詰めると、それは「評価者が自分の評価に自信がないこと」です。

自信を持って評価を行えるように会社が支援することが中心化傾向を防ぐ対策となります。
具体的には、評価基準について納得感を持てるまで議論する、部下の業務内容や成果を把握するための十分な時間を評価者が確保できるようにすることなどが有効です。他にも、余裕をもって評価が行えるよう、被評価者の数と評価者の数の比率を調整することも良いでしょう。

中心化傾向をなくして適正な人事評価を!

人事評価制度は会社の根幹をなす制度です。
中心化傾向が起こることを評価者個人の問題として考えるのではなく、会社全体の問題として対処していきましょう。人事評価に納得できない社員は、会社から離れていってしまいます。適正な人事評価のために、中心化傾向への対策を講じ、魅力ある人事評価制度を目指しましょう。

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