シフトカットは法令違反!会社都合なら休業手当の支払いが必要です

アルバイトの労働問題でたびたび話題に挙がる「シフトカット」ですが、とりわけ今般のコロナ禍においては労働者側からご相談を受ける機会が急増しています。「パートやアルバイトだから、労働日数や時間を自由に調整しても問題ないだろう」と考えられているケースは少なくありませんが、シフトカットは法令違反に該当することがありますので慎重な取り扱いが必要になります。

シフトカットとは?コロナ禍で問題視される3つのケース

まずは、どのような行為がシフトカットに該当するのかを解説します。以下は、シフトカットに関わるご相談で多く見聞きする3つの典型です。

① シフトを組んでいても、直前になってシフトを削る

まずは、該当日の労働者数や天候、客側から事前に受けたキャンセルの状況等で、出勤予定日の数日前~当日に急に「今日は人が多いから来なくて良いよ」等と休日扱いにするケースです。会社にとっては「どうせお店は暇だろうから休ませてあげよう」「天候不良だろうから従業員の安全を第一に考えて休ませよう」といった感覚であって、必ずしも悪気があってシフトを削るばかりではないのですが、働く側からしてみれば本来働いて得られるはずの給与がゼロになるわけですから損失と言わざるを得ません。

② 終業予定時刻よりも早く切り上げさせる

また、飲食店等では当日の客足に応じて、出勤させたパート・アルバイトに対して「今日はもう帰っていいよ」と早上がりを提案することもあるでしょう。早く帰りたかった従業員にとっては「ラッキー」となるところですが、その分見込んでいた給与が減じられるということであればやはり損失となります。たとえ数時間であっても、勤務時間の短縮はシフトカットに該当します。

③ 雇用契約上の勤務日数よりも、実際にシフトに入れる日数の方が少ない

さらに、雇用契約書上は「週5日勤務」と明記しつつも、いざ勤務が始まると思ったよりもシフトに入ることができないという相談も多く寄せられます。会社側としては「繁忙期にあわせて雇い入れたが、忙しい時期が過ぎたら少しずつ皆のシフトを削って人員を調整したい」等、相応の事情があるようですが、このようなケースもやはり会社都合のシフトカットであることに変わりありません。

私個人としても、学生時代のアルバイトでは、これら3つすべてのケースを経験したことがあります。実際にはそう珍しくないケースなのでしょうが、いずれもシフトカットに該当するため対応には注意が必要です。

休業手当を支払わないシフトカットは労働基準法違反

シフトカットは本来、安易にするべきではありませんが、会社の都合に応じてそうせざるを得ない場合もあるでしょう。とりわけ、今般の新型コロナウイルス感染拡大を背景に、店舗の営業自粛等に伴うパート・アルバイトのシフトカットが横行しました。

やむを得ず会社都合によるシフトカットをしなければならない場合、まずは労働者側にしっかりと理由を説明して理解してもらうことが肝心です。さらに、該当日については平均賃金の60%以上の休業手当の支払いをしなければ労働基準法違反に該当します。直前のシフトカットであれば本来労働すべきだったその日について、雇用契約書上の勤務日数と実際にシフトに入れる日数とが乖離していれば不足する日数について、会社は休業手当を支払う必要があります。また、一日の労働時間のうち一部をカットした場合、少なくとも、実労働時間分の賃金が「平均賃金の60%」に満たなければその差額分を支払わなければならないルールになっています。

参考:打刻ファースト「休業要請で時短営業!休業手当支払いルール&一部休業時の雇用調整助成金活用について解説

依然としてコロナ禍ということもあり、特に飲食業やサービス業では客足や売上等の見通しが難しい状況が続きます。しかしながら、安易に「人員の過不足はパート・アルバイトで調整しよう」と考えるのは厳禁です。従業員への配慮や、休業手当の支払いには適正に対応するよう心がけなければなりません。また、現場においては、そもそもシフトカットをせずに済むような採用計画の立案と雇用管理の徹底も必要です。

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