「報酬」と「賞与」と「賞与にかかる報酬」の違いとは?

健康保険・厚生年金保険に関わる保険料は、毎月の「報酬」と「賞与」とでそれぞれ算出され、納付することになっています。

この点、特に特別手当(インセンティブ)を支払っているという会社は、それが「報酬」なのか「賞与」なのか、判断に迷うことがあるかと思います。

今号では「報酬」と「賞与」と「賞与にかかる報酬」の違いについて解説していきます。

社会保険による報酬・賞与の区分の明確化

賞与とは年3回以下の支給のため、年3回以下の場合賞与には当たりませんが、年4回の特別手当を支払う場合は対象期間が1か月なのか、1か月超なのかにより取り扱いが異なります。

報酬と賞与の判断については、2019年1月4日「社会保険による報酬・賞与の区分の明確化」という通達が出されており、こちらが影響してきます。

社会保険による報酬・賞与の区分の明確化については以下の通りです。

  • 報酬・・・賃金等で毎月支給されるもの(定時決定・随時決定により保険料額決定・徴収をおこなう)
  • 賞与・・・報酬以外であって、年3回以下の支給のもの(賞与支払届により保険料徴収を行う)
  • 賞与にかかる報酬・・・報酬以外であって、毎月支給されず年4回以上の支給のもの
    →「賞与にかかる報酬」は「(7/1前1年間の)賞与額の合計額÷12」を報酬へ上乗せし算定

「報酬」と「賞与にかかる報酬」の違い

「報酬」と「賞与にかかる報酬」の違いについてです。

  • 支払いを行う対象期間が1か月・・・・・報酬
  • 支払いを行う対象期間が1か月超・・・・賞与にかかる報酬
【例】

  • 5月の業績のみで6月の特別手当支給→報酬に該当
  • 3・4・5月の業績に応じて6月の特別手当支給→賞与にかかる報酬に該当

以上の条件から、対象期間が1か月の場合は今まで通りの支払い方法で問題ございません。

対象期間が1か月を超える場合も支払い方は今まで通りで問題ございませんが、「(7/1前1年間の)賞与額の合計額÷12」を報酬へ上乗せし算定することになりますので、ご注意ください。

※年4回の支給を予定していたにもかかわらず、3回の支払いになってしまった場合も、「賞与」ではなく「賞与にかかる報酬」とみなされ算定の報酬額に含まれます。

「賞与」の実務上の注意点を確認しましょう

これまでも、年間を通じて支払回数が3回までは「賞与」、4回以上は「報酬」とされていました。

しかし、通達の変更に伴い、支払回数だけでなく算定の期間等、支給基準も判断要素として追加されました。

今まで、保険料削減の目的として「賞与」を毎月支払いとする場合はもとより、これまで「通常の報酬」として取り扱っていた手当の定義および運用について見直しが必要となってきます。

今後も「通常の報酬」として取り扱うためには、1か月を超える期間にわたる事由によって算定されること等について、より明確な定義づけ(就業規則・給与規程等)がなされているか、そしてそれに基づいた形で賃金台帳作成できているかが重要になります。

毎月の支払がなくても定期的に一定期間支払われる手当がある場合は手当額を十二分の一で月額を算出します。例えば12月から3月の4か月間、毎月10,000円「寒冷地手当」を支給する場合、10,000円×4か月(支給期間)÷12か月≒3,333円を実際の支給ベースでなく算入する必要があります。

手当の性質と定義を明確にし、適正な届出が出来るようにしましょう。

困ったら専門家に相談することを検討

労務関係や助成金のことで、困ったことや具体的に聞きたいことがあれば社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。
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社労士法人 人事部サポートSR 社労士:針谷正昭

「外部人事部」をコンセプトに、幅広い人事領域をサポートする社労士法人、人事部サポートSRの針谷です。企業人事での実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、人事実務家の目線にたって企業様をサポートします。給与計算や手続きなど実務を通じて把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手がけ、企業人事の皆様を幅広く支援します。まずはお気軽にお問い合わせください!