安定した企業運営に欠かせない労働基準法とは?-誰のために、何の目的で生まれたのか?-

社員を雇用して勤務労働に従事させて、諸経費を引いた純利益をより多く生み出す事で企業は成長します。どれだけIT化が進み自動化の波が押し寄せようと社員の力なくして企業の繁栄はありません。企業の宝である社員を大切にするために、雇用者が出来る事は労働基準法を正しく理解する事です。当然理解して実行しなければ意味がありません、働く意欲にも直結する法律を社員の為そして雇用者の為に紐解いて解説します。

経営者や人事部の責任とは何か

労務とは労働力と引き換えに報酬を受け取る事を意味しますが、もう1つは企業で働く人を管理する事務(つまり人事課)を指して労務というケースもあります。 単独で起業しない限り「使用者」と「雇われる側」の両者で企業は成り立ちます。労務の仕事は優秀な人材を採用するだけでなく、雇われる側の労働者の評価や査定にも携わり、労働者の権利や人権を尊重し健康で安心して働く職場環境を維持するという大切な役割があります。

労務の仕事に欠かせないのが労働基準法になります。1947年に初めて国内で制定された法律で、社会的に見て弱い立場の労働者を守るため、強いては使用者側とのトラブルを未然に防ぐために両者の間で労働条件を取り持つ法律と解釈して良いでしょう。

時代や経済の変化と共に何度も内容は改正され今に至ります。労働基準法には最低基準があり、賃金や労働時間と言った最も基本的な事柄から安全や衛生、就業規則まで細かく設定されており、どんな職業であっても労働基準法に定められた最低基準を下回っている部分については全て無効となります。無効ということは法律違反と見なされると解釈します。

一番分かり易いのが時代によって大きく変動してきた最低賃金です。年齢や地域によって異なりますが、いかなる場合であっても契約を結び働く以上、定められた最低賃金以下で労働をさせる行為は違反と見なされます。一見労働者を守るための法律かと思いがちですが、使用者側から見た場合雇ったからには、労働基準法で定められた労働条件を遵守して働いてもらうという意味で守られていると言えます。 法律の意味を正しく理解した上で細かい内容を見て行きましょう。

労働基準法はどのような内容なの?

国際化が猛スピードで進む昨今、労働基準法の適応範囲を知っておく必要があります。基本的な法律でありながら意外と知らない人が多いポイントです。労働基準法は日本国内に在籍する全ての企業や会社に適応され職業や国籍も関係ありません、国籍が日本以外であっても遵守しなければいけません。日本国内で働く全ての労働者の人権を守るという意味から考えると納得です。

労働基準法の内容としては先に簡単に述べた通り多岐にわたる労働に関してのルールがあります。中でも使用者側が意識すべき大きな点は5つあります。

  • 労働時間
  • 残業にまつわるルール
  • 最低賃金
  • 労働者の有意義な生活を維持するための福利厚生
  • 有給休暇を含めた休暇
  • 労働基準法_知っておきたいポイント

    労働時間は1週間で40時間、1日8時間を限度と定められており労働時間を超えた労働に対しては残業代として支払う義務が生じます。賃金については毎年各地域の経済状況に応じて発表されるので最低時給を確認し反映させる事が必須条件です。福利厚生は女性の出産及び産後の育休や介護休業が含まれ、安心して働く為に大切な内容となります。有給休暇は入社6ヶ月後から生じる休暇で全労働の8割以上を出勤した労働者に対して勤続年数に応じて加算されるものです。 これらは最も基本的な法律を記載しています。

    根本的に変わる事はありませんが経済や時代に応じて微妙に変動するので、毎年詳細を確認する必要があります。確認先は各地方自治体に存在する労働基準監督署で最新の情報を入手出来ます。また大手企業の場合顧問弁護士、個人経営者の場合専門家である社労士に相談するのも有効です。

    労働基準法を遵守する意義を考える

    労働基準法を正しく運用していればクリーンな企業であり続けることができ、優秀な人材が入社して働きたいという意欲が湧きます。優秀な人材が多い会社ほど繁栄し営業利益も右肩上がりで成長します。

    世界労働データ2015の調査によると先進国の中でも礼儀正しく真面目で仕事熱心であるという指標が示す通り、日本のビジネスパーソンは働くことに生き甲斐を感じています。我が国の礎は高度経済成長期の勢いそのままに受け継がれた労働者の意欲にあると言って過言ではありません。 そんな大切な社員1人1人を重んじるために労働基準法は存在します。

    決して軽視せず守るために何が出来るか?答えは簡単です、第一歩目は勤務管理(勤怠管理)の導入です。形式に拘る必要はありませんが全ての労働者がどれだけ働いたか(質・量ともに)正確に把握する事から全てが始まります。 アルバイトでも正社員でも契約社員でも同じことです。労働者として雇用するという事は労働者の人生を背負う責任があります。その為に使用者側ができる事は法律を守って安心して働く環境を提供する事以外ありません。

    敬意を忘れないこと

    営業利益を出す労働者に敬意を払うことを忘れてはいけません。 業種に関係なく「働きやすい会社」は経営者が労働者(従業員)に対する敬意:愛情がある会社であると思います。 ひとり一人の労働者が大きな企業を作っている事を肝に銘じ、労働基準法の大切さを経営者・労務担当者は再認識いただければ幸いです。

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