従業員を1名でも雇ったら取り組むべきフランチャイズ経営の労務管理

学習塾やコンビニエンスストアを中心に、あらゆる業界にみられるフランチャイズ経営。加盟店となれば大手の看板を掲げて事業を行うことができる一方、実態としては一つひとつ独立した事業所の取扱いを受けるために、現場の事業者には労務管理上のあらゆる責任を負うことになります。今号では、フランチャイズ経営に伴い、知っておきたい労務管理のポイントをご紹介しましょう

フランチャイズ加盟店での労務管理は「現場の責任」です

フランチャイズ経営は、権利を与えるフランチャイザー(運営母体となる企業、本部)と与えられた権利で事業経営をするフランチャイジー(加盟店)によって構成されます。個々の加盟店は、一見すると同一資本の企業が運営する直営店のように思われますが、実態としてはフランチャイザーとフランチャイジーがそれぞれ別個の独立した事業者である点に特徴があります。

冒頭でも触れたとおり、フランチャイズ経営の労務管理はすべて現場で行われる必要があり、その責任は原則として加盟店の事業主が負うことになります※。
※ただし、以前の記事で解説したセブンイレブン加盟店の給与計算の様に、フランチャイズ契約の形態によっては本部が一括で行う事務を含むこともあります

ひと口に労務管理といっても、勤怠管理や就業ルールの徹底、給与計算、社会保険加入等、多岐に渡ります。このあたりの指導は通常、フランチャイザーである本部からあるものですが、現場では、通常業務の慌ただしさの中で不徹底が見受けられることも珍しくありません。こうした場合、万が一何か問題が生じれば、責任を負うのはフランチャイジーである加盟店事業者です。

事業者が個人事業主でも、従業員数が1名でも、労務管理は不可欠

現場の事業者が個人事業主であったり、従業員数が1,2名程度のごく少数であったりする場合、現場の労務管理はおろそかにされがちな傾向にあるようです。「個人事業だから社会保険は関係ない」「まだ従業員が少ないから、就業規則なんて不要」といった誤解が、労使トラブルの火種となります。現場においては、折をみて、労務管理体制を見直されることをお勧めします。

勤怠管理

労働時間の適正把握は、事業所の規模を問わず必須となります。事業者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を、客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録しておかなければなりません。勤怠管理の徹底については、昨今の働き方改革の中で特に重視されているポイントですから、政府のガイドラインに則した方法での対応が必要です。
参考:
打刻ファースト「勤怠管理は万全ですか? 国会提出された働き方改革関連法案では「労働時間の適正管理」がさらに厳格化へ
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

有給休暇の付与

有給休暇は、フルタイム勤務の正社員のみに付与されるものではなく、パートやアルバイトであっても要件を満たせば発生するものです。有給休暇のルールを正しく理解し、適正に付与できるようにしておきましょう。
参考:厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。

社会保険加入

パート・アルバイトでも、従業員を1名でも雇ったら、労災保険の成立手続きが必要です。
また、1ヵ月以上継続した雇用見込みがあり、1週間あたり20時間以上勤務する従業員については、主婦のパートでも雇用保険加入の対象となる可能性があります(学生の場合は原則加入なし)。
さらに、事業者が個人事業主でも、常時雇用する従業員が5人以上の場合は、対象者を社会保険(健康保険・厚生年金)に加入させなければなりません。

参考:
厚生労働省「労働保険制度(制度紹介・手続き案内)
日本年金機構「適用事業所と被保険者

従業員数1名でも、「就業規則の作成」がお勧め

このように、ごく小規模な事業所であっても、従業員を雇用するとあらゆる労務管理に対応する必要が生じます。
また、解説した以外にも、勤務時間や休日、業務内容、給与、服務規律などの就業ルールの明示は必要であり、これらを網羅的に示すためには就業規則があると何かとスムーズです

労働基準法上、就業規則の作成・届出義務は「常時10人以上の労働者を使用する事業所」に課せられますが、労務リスク回避の観点から、人を雇い入れたらなるべく早期に作成するのが得策です。

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ABOUTこの記事をかいた人

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。 労務関連の手続きやご相談、就業規則作成、助成金申請・・・等々、どんなことでもお気軽にご相談ください!東京はもちろん、日本全国からのご依頼に対応させていただきます。