【雇用調整助成金とは】従業員を解雇せずに業績回復を狙え

会社の業績が悪くなると、経営者は事業の縮小を考えます。
いきなり従業員を解雇することはできないため、経営者は従業員を一時的に休業させる、配置換えをするなどの雇用調整を行いますが、休業手当等を支払わなければなりません。

そんなときに使える助成金「雇用調整助成金」について、本記事で解説します。

雇用調整助成金の支給の対象となる要件は?

雇用調整助成金の支給の対象となる事業所には条件があります。
まず第一条件として、きちんと雇用保険を適用していることが必須です。
また売上高や従業員数にも条件があり、直近3ヵ月の売上高が前年の同じ時期と比べて10%以上減少していること、直近3ヵ月の従業員数が前年同期と比べて増加していないことが求められます。

さらに休業の措置をとる場合は、所定の労働日のすべての時間を休業とすること、または対象の事業所の従業員が全員、1時間以上休業することが条件となっています。
教育訓練の場合は休業の場合の条件に加え、訓練の目的が職業の知識や技術の習得に関するものであること、教育訓練を行う日は就業してはならないことも条件です。
また出向の場合は、出向を終えた後、出向前の本来の事業所に戻ることが条件となります。

雇用調整助成金の受給額は?中小企業と大企業とで違う

雇用調整助成金の支給期間は事業主が指定した1年間となります。
受給額は、休業の場合は中小企業が休業手当ての3分の2、大企業は休業手当の2分の1です。

また教育訓練の場合、中小企業は賃金の3分の2に1日1,200円をプラスした金額、大企業は賃金の2分の1に1日1,200円をプラスした金額となります。
出向については、中小企業の場合、出向先の事業主が支払う賃金の3分の2、大企業の場合は2分の1の金額が支給されます。

支給額には上限があり、休業と教育訓練の場合は雇用保険基本手当日額の最高額であり、1人あたり1日7,775円です。
また出向の場合は、雇用保険基本手当日額の最高額の365分の330の金額となります。

雇用調整助成金の手続き。休業と教育訓練の場合

過去に雇用調整助成金を支給されたことのある場合は、続けて申請することはできません。しかし、1年が経過すれば再度申請できます。

都道府県労働局やハローワークに計画書を提出することでその手続きが認められます。
休業と教育訓練の場合は、判定基礎期間を3ヵ月分の間で決め、選択した3ヵ月分の期間ごとに休業等の実施計画届を提出しなければなりません。
提出する書類は、雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書、雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書、雇用調整助成金休業等実施計画届などとなっています。

雇用調整助成金の手続き。出向の場合

出向の場合の手続きについては、6ヵ月ごとに助成金を申請するとともに、6ヵ月経過したら2ヵ月以内に申請しなければなりません。
提出書類は、休業・教育訓練で述べた書類のほかに、雇用調整助成金出向実施計画届、出向協定書、出向契約書などが必要になります。

出向の対応をする場合は、休業や職業訓練の場合とは異なるため注意しましょう、

雇用調整助成金を上手に使い従業員の雇用を維持しよう

事業が悪化したからと言って従業員を解雇すれば、事業の景気が回復した後に人手不足に陥るため、解雇を避けた方が良いケースが多いです。

解雇はあくまでも最終的な手段であり、従業員の生活の安定を考えることが大切です。
また仕事に慣れた従業員を引き続き雇用すれば、将来の事業の発展につながります。

雇用調整助成金を上手に活用し、業績の安定化と従業員の雇用維持を心がけましょう。

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