終身雇用制度の崩壊と共に、日本でも転職することはもはや珍しいことではなくなってきました。
そこで気を付けるべきなのが「キャリアクライシス」です。
それまで培ってきたキャリアを失いかねない"危機"とは、どのようなものなのでしょうか。
本記事で詳しく解説します。
キャリアクライシスとは?
キャリアクライシスとは、経歴(carrier)と危機(crisis)の2つの言葉を組み合わせた造語で、社内でこれまで培ってきたキャリアの価値がなくなってしまうことを意味します。
例えばプログラミング技術を生業にしてきたという場合に、プログラミング用語の時代変化によって今まで使っていた技術が時代遅れになってしまい、これまでの経歴が通用しなくなってしまうといったという事態を指す言葉です。
キャリアクライシスが起こる場面とは
キャリアクライシスの要因には様々なものが挙げられます。
技術革新はまさにその代表例と言えるでしょう。他にも、会社が事業や製品から手を引いてしまう、グローバル化の波で海外に移転してしまうといった事態も原因となりえます。
近年ではAI化によるキャリクライシスが指摘されています。
コンピューターに仕事を取って代わられてしまう可能性は、もはや単純な手作業だけではありません。
より複雑な作業、あるいは認知能力を必要とする仕事領域にまで、AIは進出しようとしているのです。
転職によるキャリアクライシス
キャリアアップのために行った転職が、キャリアクライシスの原因になってしまったというケースも珍しくありません。
転職が当たり前になった現代日本では、会社の倒産や家庭の事情などネガティブな理由ではなく、能力の向上や待遇アップといったポジティブな理由で会社を移る人も多くいます。
しかし転職によって常にこれらの希望が叶う訳ではありません。
人によっては転職しては待遇に不満を持ち、また転職してしまう、その繰り返しによってキャリアを細切れにしてしまい、結果自身の人材価値を下げてしまうのです。
キャリアクライシスを回避するためには
キャリアクライシスに陥らないためには、自身の人材価値を上げることが重要になります。
また、自身の仕事を取り巻く環境にアンテナを張り、状況を分析することも役に立ちます。
自らのキャリアを見つめ直そう
キャリアクライシスは特別なことではなく、誰にでも起こり得る事態です。
アメリカで提唱されたキャリア理論によると、キャリアクライシスはキャリア確立期である20代後半から30代前半に起こりやすいと言われています。
この時期は自らのキャリアについて不安を抱きやすい時期です。陥りやすい時期や状況を把握し、自らのキャリアを危険に晒さないよう気を配りましょう。