約40%で「違法な時間外労働」あり!時間外労働の上限規制適用後、初の「過重労働解消キャンペーン」結果

働き方改革の柱のひとつである時間外労働の上限規制が、大企業では2019年4月から、中小企業では2020年4月より適用となっています。従業員の勤怠管理について、御社での対応状況はいかがでしょうか?
2020年5月1日に、大企業における時間外労働の上限規制適用後初となる、2019年11月度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督実施結果が公表されました。このたびの監督指導実施対象事業所のうち、およそ4割に「違法な時間外労働があった」として是正勧告が行われています。

「違法な時間外労働」は依然として違反項目のNo.1

厚生労働省では、毎年11月に「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や離職率が特に高い事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる事業所に対し重点監督を実施しています。2019年度の重点監督に係る主な違反内容、指導状況は下記の通りです。

時間外労働の上限規制の適用が開始された後、初となる今回の重点監督においても、例年通り「違法な時間外労働」は違反内容のうちで最も多い結果となりました。上限規制適用までに猶予措置が講じられた中小企業においても、今春から適正に対応することになっています。2020年度始めは、新型コロナウイルスの関係で必然的に労働時間が抑えられることとなった業界、一方で通常よりも人手不足による長時間労働が余儀なくされた業界と、両極端の実態があることとは思いますが、御社での状況はいかがでしょうか?

長時間労働の状況は、前年比で着実に改善傾向

さて、「違法な時間外労働」に係る違反が依然として高い割合を占めているわけですが、その違反の程度を確認する限り、状況は確実に良くなっていることが分かります。

画像は、主な違反内容について、各項目の前年同期における結果の比較を示したものです。1か月当たり80時間を超える違反件数、割合ともに減少傾向にあります。もちろん、「違法な時間外労働があったもの」の全体の割合自体は増えている点に注意する必要がありますが、1か月当たりの時間外・休日労働時間数の状況は概ね改善傾向にある(少ない時間数に抑えられるようになっている)点を見てとることができます。

「労働時間の適正把握」への対応は万全ですか?


2019年度の重点監督において、勤怠管理方法に関わる指導は概ね例年通りです。今般の働き方改革においては、「労働時間の適正把握」について2019年4月より義務化されていますので、未対応の現場においては早急に対応を検討する必要があります。よく「管理職については勤怠管理が不要」とされている会社を散見しますが、「社内の管理職=労働基準法上の管理監督者」とは限りませんし、労働安全衛生法上、健康管理の観点から管理監督者であっても適正に勤怠管理に取り組むべきとされています。管理職を含む全ての労働者に、適切な方法で労働時間管理を講じましょう。

働き方改革の本来の目的は、過重労働による健康障害を防止することにあり

2019年度より本格的に開始された働き方改革には、時間外・休日労働の削減や有給取得義務等、様々な施策が盛り込まれていますが、これらは総じて過重労働やこれに起因する健康障害を防止するために必要な取り組みです。現場においては、単に「目先の数字だけが改善されれば良い」といったやり方ではなく、各施策の先にある「健康障害防止措置」についても目を向けていけるのが理想です。2019年度の重点監督でも、「過重労働による健康障害防止措置」については指導件数・割合ともにおよそ倍増しています。

企業に求められる健康障害防止措置の確認には、厚生労働省公開のリーフレット「過重労働による健康障害を防ぐために」が役に立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考・出典:厚生労働省「令和元年度 11 月「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表

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