求人におけるSNS活用の注意点!必要事項の未記載は法令違反です

インターネットの普及により、最近では、ホームページやSNS等を活用して労働者募集を行う企業が増加傾向にあります。インターネット上の求人の大半は何ら問題のない通常の労働者募集ですが、中には、昨今社会問題化する「闇バイト」の募集も見受けられ、厚労省が注意を促しています。今号では、SNS等で求人を行う企業がおさえるべき注意事項を確認しましょう。

SNS求人における募集情報提供時の必要記載事項とは?

職業安定法第5条の4(求人等に関する情報の的確な表示)は、「求人情報の提供をする際は、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならない」と定めています。本条文に則り、厚生労働省は、募集主が求人情報を掲載するときには以下6つの項目の記載を求めています。下記の記載のない募集広告は、法令違反となります。
①氏名(名称)
②住所
③連絡先(電話番号等)
④業務内容
⑤就業場所
⑥賃金
「②住所」に関しては、ビル名、階数、部屋番号まで記載が必要です。「③連絡先(電話番号等)」については、電話番号、メールアドレスまたは、自社ウェブサイト上に備え付けられた専用の問い合せフォームへのリンクのいずれかを記載します。その他、業務内容・就業場所・賃金に関しては、広告等を見た労働者になろうとする者等が、募集主等について誤解を生じない様な明記が必要です。

参考:厚生労働省「労働者の募集広告には、「募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先(電話番号等)・業務内容・就業場所・賃金」の表示が必要です

雇用仲介事業者を利用する場合の例外

ただし、職業紹介事業者や募集情報等提供事業者等を通じて労働者を募集する場合には、例外的に上記6項目を記載する必要はないとされています。というのも、雇用仲介事業者を利用した場合で求職者から照会があった際には、雇用仲介事業者が、募集主の氏名・名称等を求職者に回答することになっているからです。

フリーランス募集時にも6項目の記載が必要

ちなみに、フリーランスの募集をSNS広告等により行う場合でも、上記6項目の記載が必要となります。具体的には、(1)特定受託事業者の募集を行う者の氏名又は名称、(2)住所(所在地)、(3)連絡先、(4)業務の内容、(5)業務に従事する場所、(6)報酬に関して、記載を欠く場合は「誤解を生じさせる表示」に該当するものとして、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)第12条違反となります。

参考:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ

20代求職者の7割が「Instagram」で社名を検索

今号では、SNS等で求人を行う企業がおさえるべき注意事項として、6つの必要記載事項を確認しました。「SNSで求人」といっても、まだまだピンとこない現場も多いかもしれません。しかしながら、求職者側、特に若者にとってみれば、SNSは企業を知るための重要ツールのひとつとなりつつあるようです。

採用に特化したSNSの運用代行サービス「エアリク」を運営する株式会社リソースクリエイションが、20代の求職者を対象実施した「転職活動におけるSNS利用の実態調査」によると、「転職活動を進める上で、SNSで社名を検索しましたか?」という質問に対し、85.0%が「検索をした」と回答したとのこと。その内訳は、Instagramが70.6%、TikTokが52.9%であったことが明らかになっています。

出典:PR TIMES「【599名に調査】転職活動を行う20代の85%がSNSで社名を検索

企業の求人におけるSNS活用は、若手人材獲得を左右するといっても過言ではありません。企業のアピールや労働者募集のツールとして積極的な活用を検討される際には、今号で解説した募集情報提供時の必要記載事項にご留意いただき、適切な形での求人に努めましょう。

LINEで送る

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事