2020年の東京五輪が終了すると、日本の経済は不況に陥るのではと噂されています。もしあなたの会社が不況になったら?リストラという言葉がチラつくようになるのでしょうか。
リストラを余儀なくされる企業には、ぜひ「アウトプレースメント」を考えてもらいたいものです。
アウトプレースメントとは
アウトプレースメントとは、リストラを進めようとする企業が、対象の従業員の再就職活動を支援することを言います。景気後退局面になると、企業にとっては生き残りをかけての取り組みを講じる必要性も生じることになります。リストラはその代表ともいえるでしょう。経費削減に向けての取り組みを進める上では人員整理をするのが最も手っ取り早い方法だからです。人員整理をすることになれば、その対象となる従業員は、当然ながら収入源を失うこととなってしまいます。ならば、企業が再就職先を探すサポートをするというのが望ましいのではないでしょうか。
「アウトプレースメント」と呼ばれる再就職支援では、その対象となる従業員が再就職する際に発生する一連の費用を企業側が負担します。これは、企業の都合で退職を余儀なくされるからこそです。
アメリカ生まれのアウトプレースメント
アウトプレースメントは日本でも定着化を見せるようになりましたが、アメリカでは既にかなり以前から行われています。日本同様アメリカでも、企業活動を行う上では時に人員整理をすることも往々にしてあるとされます。その際のトラブルを避けることを目的とし、アウトプレースメントが取り入れられるようになったのです。
日本でアウトプレースメントの導入が盛んになったのは、いわゆるバブル崩壊以降です。日本を代表するような企業の倒産や吸収合併の動きが活発化する時代の流れを受け、企業が再就職を支援することの需要が急拡大したのです。
アウトプレースメント会社では、キャリアアドバイザーが強力にバックアップ
アウトプレースメント活動を行う日本企業も増えてきました。「アウトプレースメント会社」などと称され、存在感を大きくしています。昨今のアウトプレースメント会社では、対象者の再就職活動をあらゆる角度からバックアップしているようです。金銭的なことだけでなく、履歴書や職務経歴書の書き方、面接に向けての助言やアドバイスなどをもです。
キャリアアドバイザーと呼ばれる人が、対象者の過去の職歴や得意分野などの情報をもとに、マッチする再就職先を見つけてくれます。不安を抱える対象者にとっては心強い存在でしょう。
ますます重要になるアウトプレースメント
働き方改革が叫ばれ、副業解禁が進む日本において、もはや年功序列や終身雇用は崩壊したものと言ってよいでしょう。かつ、企業の競争が激化する中ではいつ企業が潰れてもなんら不思議ではない現状にあるとも言えます。各社員は、いつ会社がなくなっても良いように己にスキルを培う必要があるとともに、企業はこれまで以上に社員を大切に扱うべきでしょう。アウトプレースメントは、退職を余儀なくされる従業員に対する企業の責任です。アウトプレースメントの導入は、今後ますます重要となるのだろうと推測されます。