キャリア・プラトーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。年齢が増すにつれ、キャリアに行き詰まりスキルアップの機会を失うことを意味します。本記事でキャリア・プラトーの特徴を理解するとともに、企業が行うべき対策についてを考えてみましょう。
キャリア・プラトーに陥る原因とは
組織で働く人達にとって、スキルを磨くことや上を目指すことはモチベーションの一つでしょう。若い頃なら伸び代もありキャリアはそれなりに築けるものですが、中年になると能力やポストに限界を感じモチベーションが下がることもあります。キャリア・プラトーは、このように自分の置かれた状況をネガティブに考えてしまう状況のことです。「これ以上、上を目指すことは出来ない。」、「新しい分野に挑戦しても、すぐ若い人に抜かれるのではないか」などというようなマイナス思考状態が長く続いてしまうと、キャリアの上昇が止まり完全に先に進むことが難しくなります。
2種類のキャリア・プラトー
キャリア・プラトーは2種類あります。仕事内容に関してのキャリア・プラトーと、昇進・昇格に関してのキャリア・プラトーです。
若者にとって己の能力は未知数で、日々成長を感じやすい状態にあります。仕事で大変なことがあったとしても同時に成長を感じることからそれすらがモチベーションに繋がっていくものです。しかし、中年になるとある程度限界を感じることも多くなり、モチベーションは低下していくのです。これが仕事内容に関してのキャリア・プラトーです。
また、長らく勤めていればある程度の役職には昇進できるものでしょうが、天井を感じてしまい後は定年まで待つだけという場合もあるのが事実です。最終的な到達点に立つとそれ以上の目標を見失うこともあり、これが昇進・昇格に関してのキャリア・プラトーと言われています。
企業側ができる対策とは
企業にとって、従業員のモチベーション低下は仕事の質を下げてしまう要因になりかねません。しかもその状況に陥っているのが多くの部下を抱える上司だとすれば、その波及効果はより大きなものとなってしまうでしょう。だからこそ、企業としては従業員がキャリア・プラトーに陥ることを未然に防いだり、起こってしまった場合の対処を講じる必要があります。
特定のスキルを持った従業員には、専門職としてのキャリアパスを設けて別の道筋を示してあげるのも一つの手段です。また、同じ役職の中にも階級を設け実績や能力によってレベルアップさせるなどするのも良いでしょう。一見、同じポジションでもその重要度が違うという認識を持つよう促すことで、まだまだ自分の可能性を感じられるようになるかもしれません。
キャリア・プラトーを起こさないための個人対策
キャリア・プラトーが起こらないよう予防策や対応策を考えるのは企業の責務であると同時に、個人でも考えるべきことでしょう。会社ができる策といっても、それはキャリア制度を整えることに他ならず、逆に言えばそれしかできません。従業員個人としても、自分の働く意欲がいったいどのようにモチベートされるのか、よくよく知っておくべきです。会社、個人それぞれが一体となって、キャリア・プラトーを防いでいきましょう。