【玉突き人事とは】人事異動で発生する理由とその問題点について

玉突き人事という言葉をご存知でしょうか?
「玉突き事故なら聞いたことある」と考える人もいらっしゃるでしょう。両方ともニュアンスは同じで、ビリヤードで玉を突いたときに、次々と玉がぶつかっていく様子にたとえて、人事や事故が連鎖的に発生することをいいます。

本記事では、そんな「玉突き人事」について解説します。

玉突き人事とは

玉突き人事とは、何らかの理由によって社員Aさんを異動させたときに、その穴を埋めるため別の部署のBさん、Bさんの穴を埋めるためにCさんというように、次々と異動が発生することです。ビリヤードで玉が次々とぶつかる様子にたとえられた言葉です。

玉突き人事は予期せず起こる場合が多い!?

「ジョブローテーション」が中・長期的な人員配置構想に基づいて計画的に行われるのに対し、玉突き人事は突発的事態で発生することが多いです。

たとえば、多忙な部署で介護離職などにより欠員が出たため、急いで穴埋めの人間を手配しなければならない場合などです。その部署の人員に余裕があれば良いのですが、多忙な部署では欠員のフォローができず、他の部署から人を手配する必要が生じます。
人事部門も人の手配が優先するのでつい場当たり的な対応になりがちですが、そのために問題が発生する場合があるので注意する必要があります。

玉突き人事はなにが問題なのか

玉突き人事は突発的に起こるため、人事部門は人材育成や配置バランスなどの計画性をある程度無視して人を異動させなければならなくなります。

そのため、異動する人間にとってキャリアパスの中断になったり、異動先の部署が合わず辞めてしまう(その結果また玉突き人事が起こる)という状況が生じます。
さらに、多忙にも関わらずその部署は受け入れ、新しい人のために教育担当も手配しなければならならず、受け入れ部門にさらに負荷がかかります。
突発的な玉突き人事は、企業にとっても異動する社員にとっても様々な弊害を招くことになります。

玉突き人事をあえて発生させることもある

デメリットが多い玉突き人事ですが、人事戦略によってはあえて発生させる場合もあります。

部門内の雰囲気が悪かったり、業績が停滞するなどしているときに、あえて人を入れ替えることでリフレッシュ効果を狙う場合があるのです。
この場合、ある程度の計画を持って行うため配置バランスなどは検討できますが、異動させる人間全てに異動の理由を伝え納得させておかないとモチベーションの低下を招く可能性があります。きちんとケアしておくことが重要です。

玉突き人事が起こることはやむを得ないが、異動させる人間を納得させることが重要

玉突き人事が起こること自体は仕方がないでしょう。

大切なのは、人事部門がその場限りの対応に走るのではなく、異動する人間にとってメリットのある配置転換をよく検討することです。
どうして異動しないといけないかをきちんと話し合って、納得した上での異動でなければ、上述したように様々な弊害が生じます。
人材は企業にとって財産です。非常事態だからといって安易な考えは持たず、丁寧な対応をしていきましょう。

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