2024年度冬のボーナスは4年連続増加の見通し!支払日から5日以内に行う「賞与支払届」の手続きを総復習

11月も下旬にさしかかれば、そろそろ冬のボーナスが気になりだす頃ではないでしょうか?ひと口に「ボーナス」といっても、その支給状況は年度に応じて異なりますから、毎年支給されている企業においてもなかなか予想し難い部分があると思います。しかしながら、経済シンクタンクの予想では、タイトルの通り、2024年度冬季賞与に関わる明るい兆しが見られます。今号では、民間企業における今冬の賞与の傾向と、忘れてはならない賞与支払届について解説しましょう!

2024年度冬のボーナスは、民間企業で平均支給額40万円台

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が発表した「2024年冬のボーナス見通し」によると、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)のボーナスは4年連続の増加が見込まれ、具体的には前年比2.5%増の40万5573円との予想。昨今、物価高騰に伴う消費減が問題視されていますが、夏季に引き続き、冬季のボーナスもこの見込み通り物価を上回る高い伸びが見られることで、消費者マインドの上昇、消費の回復が期待されます。

参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2024年冬のボーナス見通し~企業業績の改善と人手不足の深刻化を背景に 4 年連続で増加~

支払日から5日以内!「賞与支払届」をリマインド

この冬、従業員にボーナスを支給する企業も多いと思いますが、忘れてはならないのが「賞与支払届」への対応です。「賞与支払届」は毎度の手続きとなりますが、人事異動等で今回初めて「賞与支払届」に対応するご担当者様もいらっしゃるかもしれません。今一度、賞与支払に伴い必要な「賞与支払届」の流れを確認しておきましょう。

「賞与支払届」の対象となる賞与とは?

「賞与支払届」の対象となる賞与は、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のものです。夏と冬にボーナスを支給している会社であれば、夏冬それぞれが対象となりますので、お手続が必要です。なお、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象とされます。また、労働の対償とみなされない結婚祝金等は対象外です。

「賞与支払届」は期限がタイト!「支払日から5日以内」にお手続を

賞与支払届とは、被用者である従業員及び70歳以上被用者に賞与を支給した場合、支給額(1,000円未満切捨)を届け出ることで保険料や年金の計算の基礎となる標準賞与額を決定する手続きのことです。事業主は、賞与を支払った日から5日以内に届け出なければなりません。

届いていますか?賞与支払予定月の登録で、事業所宛に「賞与支払届」が送付されます

「賞与支払届」は日本年金機構のホームページからダウンロードできますが、すでに事業所宛に届いているケースもあります。というのも、新規適用届、もしくは事業所関係変更(訂正)届にて賞与支払予定月を登録しておくと、賞与支払予定月の前月に、日本年金機構から賞与支払届等の届出用紙が事業所宛に送付されることになっているからです。送付された賞与支払届にはあらかじめ被保険者の氏名等が印字されていますので、まずは内容を確認しましょう。なお、印字内容は、賞与支払予定月の前々月の19日までの情報が基になっています。印字されていない対象者がいる場合、追記して届出ましょう。

賞与を支給しない場合は「賞与不支給報告書」の提出が必要

賞与を支給しない場合には、事業所宛に送られた賞与支払届に同封されている「賞与不支給報告書」の提出が必要になります。賞与不支給報告書は2021年度より新設された様式で、従来不支給の旨を記載した「総括表」にて届け出ていた手続きを専用の報告書用紙にて行うことになりました。
なお、日本年金機構に賞与支払予定月を登録していない事業所、つまり、事業所宛に賞与支払届関係の書類一式が届いていない場合には、賞与不支給報告書の提出は不要です。

参考:
日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
日本年金機構「【事業主の皆さまへ】令和3年4月からの賞与支払届等に係る総括表の廃止及び賞与不支給報告書の新設について

「賞与支払届」の送付を受けたい、送付時期を変更したい、送付を止めたい場合は要お手続

現状、「賞与の支給をしていても予定月を登録していない」という企業や、「賞与の支払月が変更になった」「賞与の支払いが不定期になったので賞与支払届が送付されないようにしたい」等の変更を希望される現場もあるかもしれません。そのような場合には、登録内容の変更を届け出がお勧めです。

賞与支払予定月の登録・変更・抹消は、「健康保険厚生年金保険 事業所関係変更(訂正)届」によって行います。
■ 賞与支払予定月を新規登録する場合:
「⑲賞与支払予定月」欄で「1.登録(変更)」に〇、支払予定月を記入し「⑳賞与届用紙作成」欄の「必要(紙媒体は0.、電子媒体は2.)」に○
■ 賞与支払予定月を変更する場合:
「⑲賞与支払予定月」欄で「1.登録(変更)」に〇、変更後の支払予定月を記入し、「⑳賞与届用紙作成」欄の「必要(紙媒体は0.、電子媒体は2.)」に○(届出用紙の送付を受けない場合は「1.不要」に○)
■ 賞与支払予定月の登録を抹消する場合:
「⑲賞与支払予定月」欄で「2.全解除」に〇
参考:日本年金機構「事業主の変更や事業所に関する事項の変更(訂正)があったとき

賞与支払届関連の「?」は、社会保険労務士へご相談ください!

賞与関連の手続きは年に1~2回しか生じないため、「うっかり届け出を忘れていた・・・」ということのないようくれぐれもご注意ください。また、数多くの届出書を作成する中では、「賞与額の記入を誤ってしまった」「2以上勤務者の場合の手続きは?」「退職者にも賞与支払届が必要なのか」等、イレギュラーな取扱いに対応すべきケースもあるかもしれません。賞与支払届関連のご相談は、社会保険労務士までお気軽にお寄せください!

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