【ピケッティングとは】意味・行う目的・その正当性、全て解説します

労働争議に伴ってストライキが発生した場合、それに付随して「ピケッティング」が行われることがあります。
ピケッティングは争議行為の一種で、日本のニュースメディアなどではしばしば「ピケ」という略語で報じられています。

本記事でそんな「ピケッティング」についての理解を深めていきましょう。

ピケッティングとは

ピケッティングはストライキの現場において行われる行為の1つで、当該ストライキを補強するものとして実施されます。語源は英語のpicketで、地面に打ち込む杭や柵、あるいは軍事用語として哨戒兵といった意味があります。
ピケッティングの典型的な例としては、工場などでストライキが発生した場合に労働者が入口に見張りを置き、使用者やストライキに参加していない他の労働者が場内に立ち入るのを阻止するといったケースです。複数の者が隊列を組んで実行されることが多く、これをピケッティングラインあるいはピケラインと呼びます。

何のためのピケッティング?行われる目的とは

ピケッティングの主な目的は、いわゆる「スト破り」によってストライキの効果が減殺されてしまうのを防ぐことにあります。また、それ以外にもストライキに未参加の労働者に参加を説得したり、プラカードを掲げたりビラを配布するなどして通行人や報道陣等に自分たちの主張をアピールするといった目的で行われれいます。さらに、外部業者が部品や製品を搬出入するのを妨げるという効果も副次的に生じます。
一方で、内部のストライキ参加者に対してもピケッティングは「脱落者の防止あるいは監視」といった役割を果たすこととなります。

議論が重なるピケッティングの正当性

ピケッティングがどこまで正当で、どこからが違法かという点については学説上の争いがあります。
一般にピケッティングには「A. 平和的説得を行う」「B. 平和的説得に加えてスクラムを組むなどして示威行為を行う」「C. 説得を聞かずに立ち入ろうとした者をスクラムで押し返すなどして物理的な力を行使する」という3つの段階があるとされています。このうちAのみを正当とするもの、A及びBを正当とするもの、A~Cまでのすべてを正当とするものなど、現状では3種の見解が存在しています。
実際にピケッティングの適否が争われた裁判の判例がいくつかあり、それらでは概ねAの「平和的説得を行う」のみが正当であるという解釈がなされています。

ゆえに、ストライキを起こすことを計画している人や団体は、BやCにまで及ばないようとどまることが賢明な判断と言えるでしょう。

ピケッティング・ストライキを未然に防げ!勤怠管理から社内の働き方改革を

ピケッティングを実施するということは、その事業活動の継続に大きな影響を及ぼすということです。そのため司法判断では、かなり厳格にその行使を評価しています。
ただもちろん、仮にピケッティングが違法と判断されたとしても、それがストライキ全体の違法性を意味するということにはなりません。

もちろん労働者には「ストライキの権利」が認められています。ただ、その過程で暴力が生じたり器物の破損が生じた場合には民事上・刑事上の責任が問われてしまう可能性がありますので、注意しましょう。

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