【新型コロナウイルス対策】「時差出勤」導入で乗り切るためには?

職場における新型コロナウイルス対策の働き方として、前号では「テレワーク」導入について解説しました。場所にとらわれない柔軟な働き方が可能となるテレワークは有力な感染症対応といえるものの、検討・整備すべき事項が多岐に渡るため、本格的な導入までに諸々の取り組みが頓挫してしまうケースは珍しくありません。
今号では、テレワークと併せて目を向けたい「時差出勤」について考えてみましょう。

「時差出勤」とは?知っているようで実は知らない、働き方のホントのところを探る

時差出勤とは、一日の労働時間数は従来のまま、始業・終業の時間をずらす働き方です。

例えば「9時~18時」が所定労働時間の会社で、「8時~17時」「10時~19時」の勤務パターンを導入する例が見受けられます。時差出勤の目的は主に従業員の両立支援の他、通勤ラッシュ回避を図るためですが、このたび満員電車内での密室感染が問題視される感染症対策への一手段として、時差出勤が注目を集めています。

駅や電車内では「時差出勤」の呼びかけ放送

新型コロナウイルスの感染者数増を受け、2020年2月25日からは鉄道事業者が放送で、時差出勤やテレワークの実施を呼びかけています
労働者が感染症対策として柔軟な働き方を実現するためには、事業者側の理解と十分な体制整備が不可欠といえます。働く人の健康保持と正常な業務遂行のために、今こそ、会社が取り組むべきことに目を向けるべきです。

時差出勤とフレックスタイム制はどう違う?

時差出勤はしばしばフレックスタイム制と混同されますが、こちらは「一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度」であり、一日の労働時間数は個々に委ねられる働き方です。時差出勤以上に柔軟な働き方といえますが、一方で労働者各人の時間意識が必要となる、制度導入時の手続きや日々の勤怠管理、給与計算が複雑化する等、運用面での難しさがネックとなることがあります。

「時差出勤」導入はシフト勤務を土台とするとスムーズ

時差出勤は、テレワークやフレックスタイムと比べれば、早期に導入可能な制度です。ここでは、時差出勤制度導入に伴い検討すべき点を3つ、確認しておくことにしましょう

時差出勤検討事項①出勤時間に幅をもたせるか、勤務パターンを決めるか

時差出勤制度の導入にあたり、まずは下記のいずれかを検討する必要があります。

①始業時間について「〇時~〇時」の様に幅を持たせ、申請・承認を経て実際の始業・終業時間を決定する柔軟性の高い制度

②シフト勤務のように複数出勤パターンを定めて、パターンの中から労働時間を選ぶ制度

このうち、労務管理が容易となるのは、始業・終業時間の繰り上げ、繰り下げをあらかじめ会社が定める②の方法です。もちろん、①同様、時差出勤を実施するためには上長への申請・承認を必須とし、部課で業務に支障が出ない様に調整する必要があります。申請・承認の手続きについても取り決めておかなければなりません。

時差出勤検討事項②期間や対象を定めるかどうか

時差出勤を実施できる期間や対象を定めるかどうかも、制度設計上重要なポイントです。例えば、育児・介護中の労働者の利用を想定する場合、対象・期間の定めが必要となります。ただし、感染症対策を前提とした時差出勤制度導入であれば、対象は定めず従業員が幅広く活用できるようにし、期間については状況を鑑みて会社が判断するものと定めておき、別途従業員にアナウンスする方法が良いでしょう。

時差出勤検討事項③職場雰囲気の醸造

時差出勤が実施されることになれば、通常よりも早く出勤した従業員はいつもより早く退勤することになります。ところが、定時前に終業しにくい雰囲気があれば、時差出勤がかえって残業時間を膨らませることになってしまいます。
この点、個々が周囲の目を気にせず、自分のペースで退勤できるような工夫が必要になり、働き方改革同様の職場風土作りが求められます。

テレワークや時差出勤など、ますます拡大する感染症対策として、柔軟な働き方の導入を検討しませんか?クラウド勤怠管理システムIEYASUなら、時差出勤特有の複数出勤パターンにも柔軟に対応可能です♪

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