
労働人口が減少する中で、いかに限られた労働力を有効に活用するかは企業にとっての大きな課題となっています。
そのような状況に対応すべく導入が増えているのが「コース別人事制度」です。
本記事でその「コース別人事制度」について解説します。
目次
コース別人事制度とはどのような制度か
コース別人事制度とはその名の通り、企業内に設けられたコースごとに内容の異なる複数の人事制度を設けて運営することを言います。
例えば、営業部門や開発部門などライン別に分けたり、家電部門や情報通信部門といったように事業別に分けることもあります。
それぞれのラインや事業によって、そこで働く従業員に求められるスキルやその評価指標も様々あるはずです。それぞれに合った柔軟な評価制度や報酬体系を整備することがコース別人事制度の要諦となります。
コース別人事制度のメリット - モチベーション維持
コース別人事制度を採用するメリットには、従業員を適切に評価しモチベーションの維持向上を図ることができる点が挙げられます。
営業のように売上金額といった定量評価が馴染む部門もあれば、人事や法務のように定量的な指標では評価が難しく定性評価に重きが置かれる部門もあります。このような状況において全社一律の評価体系を作ってしまうと、どうしても部門によって従業員の評価に偏りが見られ、評価されにくい部門の従業員のモチベーションを下げることにつながってしまいます。
そうならないよう、部門別に制度を分けることができるのがコース別人事制度のメリットです。
コース別人事制度のメリット - 適切な人材配置と育成に効果あり
コース別人事制度のもう一つのメリットは、人材配置と育成です。
部門別に重要となるスキルや経験は異なっています。それらを高いレベルで有している従業員をその部門の人事制度において高く評価することによって、クオリティの高い従業員を集めたり、育成することができるようになるのです。
コース別採用について
コース別人事制度をさらに突き詰めると、採用段階からコース別で行うことが検討できます。
入社時点から企業側と従業員側のミスマッチを減らし、入社後の離職率を抑えることにもつながります。
また、働き始めの段階でその部門におけるキャリアパスを示すことで、新入社員の勤労意欲が高まることも期待できるでしょう。
コース別人事制度活用のすすめ
制度設計は必ずしも一つというわけではなく、各企業の実情に応じた柔軟な仕組み作りが可能です。
現状の人事制度に限界を感じているような企業においては、是非コース別人事制度の導入を検討されてみてはいかがでしょうか。