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【労働保険年度更新】2022年度より新たに加わった申請様式「QA方式」とは?

6月も中旬を迎えますが、労働保険年度更新への対応は進んでいますか?現場においてはまだまだ紙ベースでの申告が多いようですが、2020年4月より大企業など特定企業における社会保険・労働保険に関する一部手続の電子申請が義務化されたことを受け、企業全体における電子申請利用率が徐々に高まっているようです。
さて、今年度電子申請をしようと手続検索すると「労働保険年度更新申告(QA)」という申告様式が追加されていることが分かります。QA方式とは、一体どんな形式の申告なのでしょうか?

「QA方式」の活用で、労働保険年度更新がもっと分かりやすく

2022年1月11日から、以下の手続きを対象として、従来の申請様式に加えて「QA方式」の申請様式が導入されています

今回の労働保険年度更新で、QA方式を初めて見つけた方も多いのではないでしょうか?

分かりにくい申請も、一問一答形式の入力でぐんと分かりやすく

「QA方式」とは、文字通り、Q&A形式で申請書作成を行える申請様式を用いた方式のこと。様式の左側に項目名、右側に項目の説明と入力欄が表示され、一問一答形式で必要事項を入力していきます。申告書全体が表示されてご自身で記載項目を見つけて入力していく従来方式とは異なり、一つひとつの項目について漏れなく確実に入力していけるようになるため、落ち着いて対応しやすくなります。

もちろん、QA方式だけでなく、従来型の申請様式でも申告が可能です。使いやすさやお好みに応じて、どちらを使うかをご検討いただくと良いでしょう。また、QA方式対応の申請については現状、前述の3手続のみに限定されていますが、今後の利用状況を勘案の上、拡充の有無が判断されるとのことです。

電子申請でよくある疑問をピックアップ

今号でご紹介したのは労働保険年度更新にも活用可能なQA方式ですが、後段ではQAつながりとして、電子申請にまつわるよくあるご質問にお答えしましょう。

労働保険年度更新 電子申請の代行依頼先は?

労働保険年度更新等の徴収関連手続きについては、事業主の他、法律で認められた者以外、代理人となることができません。事業主に代わって申請が可能な代理人は、以下の通りです。

ちなみに、社労士の電子申請利用率は100%ではありません。社労士事務所への代行ご依頼をご検討いただく場合は、あらかじめ「電子申請に対応している事務所かどうか」をご確認いただくことをお勧めします。

申請データ提出後に入力誤りが発覚した場合の対応法は?

電子申請で申告書を提出した後、数字等の誤り(転記誤り等)に気が付くこともあるでしょう。この場合、すみやかに申請の提出先として選択した労働局宛に問い合わせましょう。その際、事業所名、手続名、該当手続の到達番号が必要になります

電子申請をした場合、電子納付のみしかできないのですか?

電子申請画面では「電子納付」にチェックがついていますが、電子申請であっても、納付書を使った納付が可能です。その場合、申請画面上は「電子納付」としたまま、労働局よりお手元に届いた申告書についている納付書に必要事項を記入の上、切り離して金融機関で納付します。
納付書を使う場合、右側の金額欄には、それぞれ以下の金額を記入します。

また、それぞれの金額の頭に、「Y」に横棒が一本の円マークをご記入いただく点にも注意が必要です(通常の「\」とは異なります)。「労働保険年度更新申告書の書き方」にも、以下の通り記載があります。


複雑なイメージのある電子申請も、一度取り組んでみると意外にも使いやすく、しかも「窓口に出向かずに済む」「いつでも申請できる」といった電子申請ならではのメリットも期待できます。年度更新だけでなく、幅広く労働・社会保険諸手続きに対応できますので、ご活用をご検討ください。

参考:厚生労働省「労働保険年度更新 電子申請操作マニュアル

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