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2025年度地域別最低賃金がすべての都道府県で決定!2025年10月1日から2026年3月31日までに発効

2025年8月4日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会で示された地域別最低賃金の改定額を踏まえ、各都道府県の地方最低賃金審議会において2025年度改定地域別最低賃金の引き上げ額が決定されました。
今年度は47都道府県すべてにおいて、前年+63円~82円の最低賃金大幅引き上げが実施されます。

全国加重平均額は昨年度から66円引上げの1,121円へ。目安額+18円の大幅引上げも

出典:厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金額答申状況

最低賃金引き上げ額の目安が示される際、全都道府県が、経済実態に応じてABCの3ランクに分けられることは、すでに別記事でご紹介した通りです。
出典:厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について

2025年度の地域別最低賃金答申状況を見ると、主にランクB、Cとされる各県を中心に、中央最低賃金審議会で答申された改定目安を大幅に上回る引き上げが実施されることが分かります。今回、引き上げ額が最も大きかったのは熊本県で、前年+82円、目安額+18円となりました。
政府は「2020 年代に全国平均 1,500 円」の目標を掲げており、これを達成するためには最低賃金額が低額な地域を中心にボトムアップしていく必要がありますから、こうした傾向は2026年以降も継続することが予想されます。

2022年度地域別最低賃金改定のポイント

2025年度地域別最低賃金改定のポイントを、さらに詳しく見ていきましょう。

出典:厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました

2025年度地域別最低賃金の発効日は10月から翌年3月末日までと、各都道府県でかなりの開きがある点に特徴があります。企業側の対応準備期間が長く設定されている分、業務改善助成金の活用も視野に入れながら、着実に準備を進めましょう。

地域別最低賃金大幅引上げに伴い、よくある対応間違いにご注意を

最低賃金改定に向け、現場においては従業員の賃金見直しが急務となります。対応の際には、以下に挙げる「よくある対応間違い」に注意が必要です。

「月給者の賃金」が長年据え置きになっていませんか?

最低賃金は時給で示されることから、時給制が適用されるパート・アルバイトの賃金については見直しても、「月給制の社員の賃金についてはうっかりそのまま・・・」というケースは少なくないようです。月給については、時給に換算して最低賃金をクリアしているかどうかを確認しなければなりません。

参考:厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法

なお、最低賃金の対象となる賃金とは、割増賃金や通勤手当、家族手当等の賃金・手当を除く、毎月支払われる基本的な賃金のことです。厚生労働省が公開する以下のページでは、基本給の金額、就業場所、労働時間等の条件を入力することで、最低賃金との比較を簡単に行うことができます。

参考:厚生労働省「必ずチェック!最低賃金

「特定(産業別)最低賃金」の適用はありませんか?

最低賃金には、都道府県ごとに適用される「地域別最低賃金」と、各地域における特定の産業ごとに設定される「特定(産業別)最低賃金」があります。両方の最低賃金が適用される労働者に対しては、より高い方の最低賃金が適用されることになっています。

参考:厚生労働省「特定最低賃金の全国一覧

雇用契約期間の途中でも、新たな最低賃金の発効に合わせた賃金改定が必要です

最低賃金は発効日から遵守しなければなりませんので、たとえ契約期間の途中であっても賃金の改定が必須となります。「契約期間中の賃金については、契約時に労使間で決定した額が適用されるため、改定の必要はない」という考え方は誤りです。契約期間の途中でも、最低賃金の発効日に間に合うように賃金の見直しを行いましょう。

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