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2025年4月開始の育児時短就業給付金 「いつまで?」「不支給事例は?」実務上の疑問を分かりやすく解説

2025年4月より、育児時短就業給付金という新しい制度がスタートしました。近年、育児関連の両立支援制度がぐんと拡充され、それ自体は大変望ましい状況である一方、ますます複雑化する制度への対応に頭を悩ませる実務ご担当者様も少なくないものと推測します。今号では、育児時短就業給付金にまつわるあらゆる疑問への解説策を、厚生労働省の手続要綱及びQ&Aより確認してまいりましょう。

育児時短就業給付金をわかりやすく!実務上の「?」を解決

育児時短就業給付金とは、雇用保険被保険者が2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合に、賃金が低下するなど一定の要件を満たすことで育児時短就業中の各月に支払われた賃金額の10%が被保険者に支給されるというものです。

受給資格

育児時短就業給付金は、次の①及び②をいずれも満たす方が対象となります。

⇒短縮後の1週間当たりの所定労働時間に上限・下限はありませんが、被保険者資格要件の観点から週所定労働時間は20時間以上であることが原則
⇒短縮後の1週間当たりの所定労働時間が20時間を下回る場合、子が小学校就学の始期に達するまでに週所定労働時間が20時間以上となる労働条件に復帰することが前提であることが就業規則等の書面により確認できる場合に限り、支給対象となる(口頭での約束のみの場合は不可)
⇒被保険者が子を養育するために短時間正社員、パートタイム労働者等に転換したことに伴い、転換前と比べて1週間当たりの所定労働時間が短縮されている場合は、育児時短就業と取り扱う
⇒所定労働時間を短縮していませんが、育児時短就業給付金は、子の送迎などで早退・欠勤等をしたことにより、労働時間が短くなり賃金が下がっただけの場合は支給対象外


⇒具体的には、育児休業終了の翌日(復職日)から育児時短就業を開始する場合に加え、育児休業を終了した日と育児時短就業を開始した日の間が14日以内の場合をいう


⇒過去に基本手当の受給資格や高年齢受給資格の決定を受けたことがある場合、それ以降のものに限る
⇒育児時短就業開始日前2年の間に、疾病、負傷、出産、育児等やむを得ない理由により引き続き
30日以上賃金の支払を受けることができなかった期間がある場合は、当該理由により賃金の支払いを
受けることができなかった期間を2年に加算することができる(合計で最長4年間)

各月の支給要件

上記の受給要件を満たす方が、次の支給要件をすべて満たす月についてのみ支給されます。

育児時短就業給付金の支給期間はいつまで?

育児時短就業給付金を受けている途中に、次の(1)~(4)のいずれかに該当することとなった場合は、育児時短就業給付金の支給は終了します。
(1) 育児時短就業に係る子が2歳に達したこと
(2) 産前産後休業、育児休業または介護休業を開始したこと
⇒産前産後休業、育児休業または介護休業を開始した日の前日が属する月まで支給
例)子Aについて育児時短就業中に、4月15日から子Bについて産前休業を開始した場合
4月までは子Aに係る育児時短就業給付金の支給対象月と取り扱う
(3) 育児時短就業に係る子とは別の子を養育するために育児時短就業を開始したこと
⇒別の子の育児時短就業を開始した日の前月末日まで支給
例)子Aについて育児時短就業中に、4月15日から子Bについて育児時短就業を開始した場合
3月までは子Aに係る育児時短就業給付金の支給対象月、4月からは子Bに係る育児時短就業給付金の支給対象月と取り扱う
(4) 子の死亡その他の事由により、子を養育しないこととなったこと

育児時短就業給付金が不支給となるケースは?

次の(1)~(3)のいずれかに該当する場合は、その支給対象月の育児時短就業給付金は不支給となります。
(1)支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の100%以上の場合
⇒育児時短就業開始時賃金月額とは、短時間勤務開始日(または育児休業終了日)の直前6か月間の賃金総額を180で割った賃金日額を算出し、それに30を乗じた額をいう
ただし、育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始した場合は、当該育児休業給付に係る休業開始時賃金日額を育児時短就業開始賃金日額とする
(2)支給対象月に支払われた賃金額が、支給限度額以上の場合
⇒2026年7月31日までの支給限度額は「471,393円」となっており、支給対象月に支払われた賃金額が
この額以上の場合、育児時短就業給付金は不支給となる
(3)支給額が、最低限度額以下の場合
⇒2026年7月31日までの最低限度額は「2,411円」となっており、算定された育児時短就業給付金が最低限度額以下の場合、育児時短就業給付金は不支給となる

以上、参考:
厚生労働省「育児時短就業給付の内容と支給申請手続(令和7年8月1日時点版)
厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~

何かと複雑な育児関連制度のご相談・申請代行は、社会保険労務士へ

今号では、2025年4月よりスタートした育児時短就業給付金について解説しました。現場においては、厚生労働省の資料を参考にしながら、間違いのないよう支給申請を進めましょう。なお、育児関連の各給付は「申請期限厳守」が大原則となります。所定の期限までに要件確認と申請書作成、添付書類を準備の上、申請できるよう計画しましょう。「複雑でよく分からない」という場合には、育児関連のお手続代行のみでも、社会保険労務士へご相談いただくのが得策です。