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ご存知ですか?「業務改善助成金」|コロナ禍を生き抜くための各種投資にご活用いただけます

依然として長引くコロナ禍では、企業経営上、どうしても「守り」に徹しがちになります。しかしながら、中長期的視点に鑑みれば、時には「攻め」の取り組みにも目を向け、その時々で必要な投資を行っていかなければなりません。現状、業績が大きく落ち込み大変な企業もあるかと思いますが、そういった現場にこそ「業務改善助成金」をご活用いただけます。業務改善助成金は、コロナの状況に鑑み2021年度中に特例措置が講じられ、さらに2022年1月14日からは新設「業務改善助成金(特例コース)」の申請受付が始まりました。

この機会に、御社の人材や設備等への投資を、前向きにご検討ください。

生産性向上と事業場内賃金引き上げに活用可能な「業務改善助成金」

業務改善助成金とは、設備投資等によって生産性を向上させ、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図った事業者に対し、設備投資等の費用の一部を助成する制度です。業務改善計画(設備投資などの実施計画)と賃金引上計画(事業場内最低賃金の引上計画)を策定した上で助成金交付申請し、労働局の審査を経て交付決定された後、計画を実施し、報告することで支給されます。

コロナ禍で、どんどん活用しやすくなっています

「業務改善助成金」自体は2011年度に設けられた助成金制度ですが、コロナ禍においては特例的に要件の緩和、拡充、運用改善が行われ、使い勝手が良くなっています。直近では2021年8月、10月と2度に渡り改善されました。

2021年8月~

[前年又は前々年比較で売上等30%減の事業主を対象とした特例措置]

[全事業主を対象とした特例措置]

2021年10月~

参考:
厚生労働省「令和3年7月27日 令和3年8月からの特例的な要件緩和・拡充について
令和3年10月1日 業務改善助成金の要件緩和・運用改善について

コロナ禍で新設された「特例コース」 通常コースとの大きな違いは「対象経費の拡充」

このように、新型コロナウイルス感染拡大の影響に鑑み、業務改善助成金の使い勝手は確実に良くなっていますが、これに加えて2022年1月14日からは「業務改善助成金(特例コース)」の申請受付が開始されています

「業務改善助成金(特例コース)」とは、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高等が30%以上減少している中小企業事業者が、2021年7月16日から2021年12月31日までの間に、事業場内最低賃金(事業場で最も低い賃金)を30円以上引き上げ、これから設備投資等を行う場合に、対象経費の範囲を特例的に拡大し、その費用の一部を助成するものです。

昨秋の地域別最低賃金の引き上げに伴い賃金改定を行ったものの、30円以上引き上げていない場合等、「今さら知っても申請できない」と思われる事業主様もいらっしゃるかもしれません。そんな場合でも、遡及して時給改定し、その差額を後日支給すれば対象になります。コロナ禍で売上が減少しており、現状、従業員の賃金が地域別最低賃金に近い状況であれば、十分活用を検討する余地はあるのではないでしょうか?

「業務改善助成金(特例コース)」と通常コースとの大きな違いは、「対象経費の拡充」です。通常コースでは「生産向上等に資する設備投資」に係る経費が対象とされていますが、特例コースでは、生産性向上等に資する設備投資等の額を上回らない範囲で「関連する経費」も助成対象とされます。「関連する経費」には広告宣伝費、汎用事務機器、事務室の拡大、机・椅子の増設等が挙げられ、これにより従来よりも幅広い助成金活用を想定できるようになります。

例えば、コロナ禍でテレワークを導入した際には、以下のように業務環境の整備にまで対象経費扱いとできるようになります。

出典:厚生労働省「業務改善助成金の特例コースの活用例(「関連する経費」の助成対象の拡充)

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい状況下にある企業こそ、今号でご紹介した「業務改善助成金」を始めとする雇用関係助成金の活用に目を向けてまいりましょう!