新年度から適用される労働・社会保険料率が、概ね出揃ってまいりました。今号では、2026年度の労災・雇用・健康・厚生年金保険等に係る保険料率をまとめてお伝えします。
目次
2026年度の労災保険料率は前年据え置き、一方で雇用保険料率は引き下げ予定
労災保険料率
各業種の過去3年間の災害発生状況等を考慮して、原則3年ごとに改定されます。直近では2024年度が改定年度に該当し、2026年度まで適用される労災保険料率が決定しています。業種ごとに異なる労災保険料率は、以下よりご確認いただけます。
参考:厚生労働省「令和8年度の労災保険率について(令和7年度から変更ありません)」
雇用保険料率
雇用保険料率は、前年における失業手当受給者数や労働者の実質賃金、積立金残高等を参考に、毎年見直されています。2026年度は2025年度同様、引き下げが予定されており、具体的には「0.1%引き下げ」となる見込みです。
2026年4月1日から2027年3月31日までの雇用保険料率は以下の通りです。
参考:厚生労働省「第208回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会_【資料】財政運営について」
雇用保険の改定保険料率は、いつの控除分から適用される?
前項の通り、2026年度は雇用保険料率の改定が予定されています。新たな雇用保険料率は「施行日以降、最初に到来する締日により支払われる給与」からの適用となります。今回、雇用保険料率改定に係る施行日は2026年4月1日なので、4月1日以降最初に迎える締日の給与計算から新しい保険料率を適用します。
・当月締・当月払の場合
4月10日締、4月25日払の場合・・・4月25日支給の給与から
・当月締・翌月払の場合
4月末日締、5月10日払の場合 ・・・5月10日支給の給与から
※4月10日支給の給与は3月末日締なので、旧保険料の適用となります。
健康保険料率は3月分以降改定、4月分からは子ども・子育て支援金の徴収開始
厚生年金保険料
厚生年金保険料率は、年金制度改正に基づき2004年から段階的に引き上げられ、2017年9月を最後に引き上げが終了し、以降「18.3%」で固定されています。2026年度も引き続き、「18.3%」が適用されることになります。
なお、厚生年金保険料に適用する標準報酬月額には上限が設けられており、上限を超えても保険料はそれ以上増えないこととなっています。現在の標準報酬月額上限は「65万円」ですが、2027年以降段階的な引き上げが予定されていることも覚えておきましょう。具体的には、2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円となります。
参考:厚生労働省「厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」
健康保険料率、介護保険料率、子ども・子育て支援金率
・健康保険料率
協会けんぽの健康保険料率は、例年3月分(任意継続被保険者にあっては4月分)より見直しが行われています。2026年3月以降の料率に関しても、協会けんぽの各支部の評議会、全国健康保険協会運営委員会で審議が行われ、全国各都道府県で据え置き又は引き下げとなり、全国平均で「9.9%(2025年度は10.0%)」となる予定です。
参考:協会けんぽ「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
・介護保険料率
なお、40歳から64歳までの健康保険被保険者は、健康保険料と一緒に介護保険料を納めます。介護保険料率について、2026年度は全国一律で「1.62」に引き上げられます(2025年度は「1.59」)。
・子ども・子育て支援金率
また、2026年度より新たに始まる子ども・子育て支援金制度に伴う支援金率は、前号でお伝えした通り「0.23%」、被保険者・事業主共に0.115%ずつの負担となります。
都道府県ごとの健康保険料率、及び介護保険料率、子ども・子育て支援金率は、以下よりご確認いただけます。
参考:協会けんぽ「令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)」
社会保険料の徴収・納付は「翌月徴収」が原則
2026年度の社会保険料について、厚生年金保険料は据え置き、健康保険料等に改定があります。健康保険料等の改定時期に応じた適用時期について、復習しておきましょう。
・健康保険料、介護保険料
健康保険料率及び介護保険料率は3月分の保険料から改定となり、翌月徴収の原則から、4月に支払う給与から徴収し、4月末日に納付することになります。
・子ども・子育て支援金
一方、子ども・子育て支援金に関しては4月分の保険料から適用となるため、翌月徴収の原則により、5月に支払う給与から徴収、5月末日の納付となります。
健康保険料及び介護保険料、子ども・子育て支援金の徴収時期の違いによる控除誤りには、くれぐれもご注意ください。