
今回は無料のクラウド勤怠管理システム ハーモス勤怠 by IEYASUにて、「フレックスタイム制」を運用するための設定方法についてご紹介していきます。
「フレックスタイム制」には、残業代の計算方法が異なる 2つの運用方法がありますので、自社に適した運用方法を選択していただけますと幸いです。
フレックスタイム制の2つの運用方法
残業代の集計方法によって、2種類の運用方法に分かれます。自社の給与計算システムルールに適した運用方法を選択してください。
運用1.所定時間超過の場合に残業代を支払う運用
- 出社時間、退社時間は社員のライフスタイルに合わせる
- 1日の所定労働時間が決められており不足した労働時間を翌日に繰り越し補うことができる
- 清算期間内の「所定時間」を超過した分を残業代として支払う
社員1人1人のライフスタイルに合わせた自由な時間での勤務を認めることに重点をおいており、残業代については、(フレックスタイム制のガイドラインの通りに)月の法定労働時間の超過分を支払うではなく、所定労働時間超過分を支払う運用が「運用1」にあたります。
運用2.法定労働時間超の場合に残業代を支払う運用
上記の運用方法とは異なり、清算期間内の「法定労働時間」(もしくは会社で定められた時間)を超過した分を残業代として支払う運用が「運用2」にあたります。
■1ヶ月単位の総労働時間
(暦日)28日 ーー(法定労働時間)160:00
(暦日)29日 ーー(法定労働時間)165:42
(暦日)30日 ーー(法定労働時間)171:24
(暦日)31日 ーー(法定労働時間)177:06
※「171:24」ではなく「171:00」で計算している企業もございます。
ハーモス勤怠 by IEYASUの設定画面では、デフォルトで法定労働時間が
入力されておりますが、任意の数字に変更することが可能です。
法定労働時間超過だけではなく、清算期間の定められた労働時間を
超過した場合に残業代を支払う場合は「運用2」にあたります。
フレックスタイム制の2つの運用方法の違い
[システム管理>勤怠設定]の画面の労働形態の項目で「フレックスタイム制」を選択することによって、日次勤怠画面等にフレックスタイム制の集計結果が表示され、法定労働時間(もしくは各社で定められた清算期間内の労働時間)をどれほど超過しているか、という集計がされるようになります。運用1の場合は法定労働時間超の集計は必要ありませんが、
運用2の場合は法定労働時間超の集計が必要になりますので、
[システム管理>勤怠設定]の画面のチェックが必須となります。
運用1.所定時間超過の場合に残業代を支払う運用 の設定方法
運用1-1 勤務区分の作成
[システム管理>勤務区分]の画面より、フレックスタイム用の勤務区分を作成します。デフォルトで「FLEX(コア有)」「FLEX(コア無)」という勤務区分が登録されておりますので、こちらを自社に適した設定に変更していただければスムーズに設定できるかと思います。
フレックスタイム用の勤務区分の設定には以下5つのポイントがあります。
運用1-1-1 所定内労働時間
フレックスタイム制の場合、①の所定内労働時間の項目では、「変形労働制(フレックス含む)」を選択します。
(例)
所定労働時間が9:00-18:00(休憩1時間,労働時間8時間)の会社で
9:30-18:30で8時間勤務した社員がいた場合
①の所定内労働時間の項目:「通常時間管理」を選択
→30分遅刻、30分残業、で集計される
①の所定内労働時間の項目:「変形労働制(フレックス含む)」を選択
→遅刻も残業も集計されない
運用1-1-2 法定時間外労働時間
フレックスタイム制の場合、②の法定時間外労働時間の項目では、「8時間超」もしくは「所定時間超」を選択します。
(例)
所定労働時間7.5時間(9:00-17:30)の会社で
9:00-18:30(8.5時間)勤務した社員がいた場合
①の法定時間外労働時間の項目:「8時間超」を選択
→残業時間は30分として集計される
①の法定時間外労働時間の項目:「所定時間超」を選択
→残業時間は1時間として集計される
運用1-1-3 法定時間外労働時間の「マイナス可」とは
フレックスタイム制の場合、②の法定時間外労働時間の項目の、「マイナス可」にチェックを入れることをおすすめします。
(例)
所定労働時間8時間の会社で以下のように勤務した場合
月曜日 8時間勤務
火曜日 7時間勤務
水曜日 9時間勤務
①の法定時間外労働時間の項目:「マイナス可」にチェック無
→火曜日は1時間分控除、水曜日は1時間残業として集計
①の法定時間外労働時間の項目:「マイナス可」にチェック有
→火曜日と水曜日の勤務時間が均され
火曜日と水曜日も早退・残業が集計されない
運用1-1-4 勤務時間と遅刻・早退時間
フレックスタイム制の場合、④の勤務時間の項目は空欄にし、④遅刻時間・早退時間の項目は「含めない」を選択します。
なお、コアタイムに遅刻・早退した場合は遅刻早退時間として集計したいという運用方法では、遅刻時間・早退時間の項目は「含める」という設定をします。詳しくは以下でご説明いたします。
運用1-1-5 コアタイム有の設定をする場合
コアタイムに遅刻・早退した時は遅刻早退時間として集計したい場合は、④の勤務時間の項目にコアタイムを入力し、⑤遅刻時間・早退時間の項目は「含める」という設定をします。
このように設定することで、コアタイムの遅刻・早退を管理できるようになります。
運用1-2 社員の設定
[システム管理>社員]の画面より、フレックスタイムの社員の設定を行います。まず、フレックスタイムで働く社員を選択します。
編集画面へ遷移し、「勤務区分」の項目で先程作成したフレックスタイム制用の勤務区分を追加します。また、「出退勤 初期表示」の項目でもフレックスタイム制用の勤務区分を選択します。
以上で設定は終了です。お疲れ様でした!
運用2.法定労働時間超の場合に残業代を支払う運用 の設定方法
運用2-1 勤怠設定
[システム管理>勤怠設定]画面の「勤務形態」タブより、フレックスタイムの設定を行います。「労働形態」の項目にて「フレックスタイム制」にチェックを入れると、「清算期間」と「時間外労働時間」の項目が表示されます。
「清算期間」の項目では1-3ヶ月のいずれかを選択していただき、「時間外労働時間」の項目では「法定労働時間超」にチェックを入れてください。
「法定労働時間」項目では、「1ヶ月単位の総枠」が暦の日数別に表示されています。
こちらは国で設定されている計算式に基づいた初期設定値をあらかじめセットしております(※)。上限時間に変更がある場合は、こちらの項目より変更をお願いします。
※ポイント
例えば、31日(1月や3月など)の暦の月の法定労働時間の計算を「177時間6分」ではなく「177時間」とされている企業もございます。その場合、こちらの時間を貴社にあった設定に変更いただければ幸いです。
運用2-2 勤務区分の作成
[システム管理>勤務区分]の画面より、フレックスタイム用の勤務区分を作成します。詳細は上記の運用1の設定をご覧ください
運用2-3 日次勤怠画面の表示項目の設定
[システム管理>日次勤怠 項目設定]の画面より、日次勤怠画面で表示させる項目を選択します。運用2-4 社員の設定
[システム管理>社員]の画面より、フレックスタイムの社員の設定を行います。フレックスタイムで働く社員の編集画面へ遷移し、「勤務区分」の項目で先程作成したフレックスタイム制用の勤務区分を追加します。また、「出退勤 初期表示」の項目でもフレックスタイム制用の勤務区分を選択します。
「労働形態」の項目で「フレックスタイム制」を選択すると、その下段に「清算期間」「時間外労働時間」「週40時間超の集計」「1ヶ月変形の集計」の項目が表示されますので、自社に適した内容にチェックを入れてください。なお、運用2の場合は、「時間外労働時間」の項目で「法定労働時間超」を選択する必要があります。
以上で設定は終了です。お疲れ様でした!